短編2
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赤い石

私の実家があるのはど田舎です

近くにきれいな川があり小さい頃はよく川で泳いだり河原で遊んだりしました

その日も姉と犬の散歩がてら河原に行き、形や色の気に入った石を拾って帰りました

家に着くともう夕ご飯の時間だったので、拾ってきた石を犬小屋の横に置いて夕ご飯を食べていました

すると、犬に餌をやりにいった祖母が大声で

『N(姉)K(私)あんたら犬の散歩に河原に行ったんか?ほんで石拾ってきたんか?』と聞きました

『うん』と返事をしました

すると母が祖母に

『赤い石があったん?そんなん迷信やん』と言いましたが、祖母は

『ほやけどなんかあったらどうするんや!』と私たちにはわからない話をしていました

夕ご飯の途中でしたが、だんだん暗くなりかけている中、私と姉と祖母で河原に赤い石を返しにいくことになりました

真っ暗になった夜の河原は不気味です

『おばあちゃんこの辺りでいいの?』私が聞きました

『まだやなぁ、水に浸かるくらいのところに置く方がええんよ』

祖母の言う通り赤い石を水に沈め家に帰りました

帰り道祖母が教えてくれました

昔は大雨の度に川が氾濫して近くの家が水に飲み込まれて死者が多く出たこと

赤ん坊を抱えたりおんぶしたりして逃げた母親が多数いたが、赤ん坊だけ流されることもたくさんあったこと

水が引き、元の生活に戻ってから夜になると河原から赤ん坊の泣き声が聞こえるようになり、河原から赤い石を持って帰った家の母親が居なくなることがあった…と

赤ん坊…赤…赤い石

ただの色の呼び名だけなのですが

昔は川に流された人の遺体は村まで戻ってくることがなかったそうで、亡くなった川の石に魂が宿ると考えられていたようです

今でも、台風が近づいて川の水が多くなると、雨音に混ざって赤ちゃんの泣き声が聞こえることがあります

怖くなく、申し訳ありません

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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