短編2
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カメハメ波~

あんまり怖くないかもしれんが暇つぶしに読んでな。

携帯やから区切るけどごめん。

二ヶ月くらい前の話しなんだが…

俺ん家に彼女が遊びに来た時に迎えに行く駅があるんやけど、そこの駅に時々、名物おっさんが出没する。

俺が勝手に命名してるが『カメハメ波おっさん』笑

そのおっさんは、見た目は微妙に浮浪者で、赤ら顔でどう見てもアル中。

駅の構内に入る入口に立っていて、構内から出る人に向かって全力でカメハメ波を放っている。

本当に何か出るんじゃないかと思うくらいの勢いで。

しかも「か・め・は・め・波っ~!」っと掛け声も気合いもタイミングも完璧。

でも顔はずっと笑顔。

少年の様な清らかな笑顔。

迷惑そうにしてる人もいるけども、

俺、なんか憎めないって言うか好きなんだな~そのおっさん。

そうゆうのがあって俺もカメハメ波くらった時に「ぐほっ!やられた~」とか言ってのけ反るリアクションとかしてノッてたんやけど。

その時も笑顔でニコニコしてた。

ただ一度だけお返しにカメハメ波をやり返したら急に真顔になり怪訝な顔してた??

ちょっぴり怖かった。

そんな感じで遭遇するたびに温かい目で見守ってたんだが、

ある日、構内で彼女を待ってる時、そのおっさん眺めてたら何気にある事に気付いた。

何故か構内に入る人にはやらないが出て行く人にしている。

そう言えば俺も彼女と合流して出る時にやられる。

老若男女関係ないが人を選んでやってるみたいだ。

さらに観察したらやる少し前からターゲットをガン見して完全にロックオン。

やるタイミングはターゲットがおっさんの真正面に来た時に人の少し後ろに向かって放ってる。

気になる…

無性にそのおっさんの行動が気になってしかたがない。

人見知りしない俺なんだが、流石に相手が相手なんで彼女と合流してから勇気をもって何故そんな事してるのか聞く事にした。

「おっちゃん、楽しそうにやってるね」

『兄ちゃん、見たことあるな~もう大丈夫!うん、うん♪』

「えっ!大丈夫って??」

『わしな、ええ事してるねん♪がははぁ~♪カメハメ♪』

「は?カメハメ?」

『ここに悪い奴いとるから、たまに人にしがみついとるから落としとるねん♪がははぁ♪』

「えっ!?」

『わし地蔵さんみたいやろ♪がはは』

「ええっ?地蔵??さ、さいなら~」

『カメ…』

まだ何か言ってたが逃げるように退散したのは言うまでもない。

それから彼女と家に向かいながら、こんなん聞いたら次やられたらマジ怖いよな~仙人やったりして~とか話してた。

ふいに彼女が、

『ねぇ、前から聞きたかってんけどカメハメってハワイとおじさんと何の関係あるの?』

俺は熟女の一言の方が怖かった。。。

怖い話投稿:ホラーテラー ドラ★さん  

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