短編2
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墓参り

私が中学生の頃、近所のおばさんから聞いた話です。

おばさんには若くして亡くなった旦那さんがいました。

旦那さんは八百屋を営んでいて近所でも野菜が新鮮で有名でした。

そんな旦那さんが枕元に毎晩立つというのです。

毎晩、毎晩

『助けてくれ…助けてくれ…』

としか言わないのです。

おばさんはお彼岸にも命日にもちゃんと墓参りしていました。こんな事は初めてでした。

ある日、思いきって枕元に現れた旦那さんにどうして欲しいのか聞いてみました。すると

『八百屋の…野菜の呪いだ…』

と悲しげな声で答えました。

おばさんは八百屋に誇りを持ってたので旦那さんを慰めました。

それでも旦那さんは毎晩枕元に立ちました。

そこでこの界隈でも名うての霊媒師に相談に行きました。

霊媒師が言うには

『貴女の御自宅に井戸はありませんか?』

おばさんには寝耳に水です。井戸なんて知りません。早速、懇意にしていた工務店の人に家中を調べてもらいました。

ありました…それも旦那さんの仏壇の真下に使われなくなった井戸が…。

早速、それを霊媒師に報告すると、

『井戸の湿気が野菜の鮮度をいつも気にしていた旦那さんを刺激しています。早く井戸を閉じなさい』

井戸には水脈の神様がいるのでしかるべき儀式をしなければならないそうでした。

後日、霊媒師立ち合いのもと古井戸はうめられました。

費用は軽く外車が買えるほどでしたがなんとか捻出したそうです。

そして、それを報告に旦那さんの墓参りに行きました。

そこには、旦那さんの墓石をがりがりとかじり、花をむしゃむしゃ食べる、

えのきじじぃがいました。

怖い話投稿:ホラーテラー オジーオズボーンさん  

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