休日に家でゴロゴロしていると、妻宛てに宅配便が届いた。
ティッシュ箱よりちょっと大きいくらいのその箱には、
【本人以外開封厳禁】
と、太い字で書かれていた。
妻に届いた小包だ。
妻が開けるのは当然だ。
俺は小包を机の上に置いた。
だが、小包の中身が気になる…
本人以外開封厳禁て…妻宛てにいったい何が送られてきたのだろう?
俺は、開けたい気持ちと、開けてはいけない気持ちとを天秤にかけた結果…
小包を開ける事にした。
(綺麗に開けて、中身を見たら綺麗に戻しておこう)
これが結論だった。
丁寧に包装紙を取ると、何やら黒い箱が出てきた。
箱には、
【本人以外は絶対開けるな!】
と、赤い文字で書かれていた。
だが、ここまできたら後には引けない。
俺はその黒い箱を開けた。
すると中には一回り小さい黒い箱が入っていた。
箱には、
【本人以外箱を開けるな!開けると後悔することになるぞ!】
と書かれていた。
「後悔するくらいなら最初から開けねぇよ!」
俺は一人つぶやきまた箱を開けた。
箱の中には、またもや一回り小さな箱が入っていて、
【開けないでください。お願いします。】
と書かれていた。
まあ…丁寧にお願いされても開けちゃうけどね…
俺は当たり前のように箱を開けた。
すると、予想通り箱の中には一回り小さな箱が入っていた。
箱には、
【知りたいか?それを知るには勇気がいるぞ…】
と、どこかで聞いた事のあるようなセリフが書かれていた。
「知りたいから開けてるんだろが!」
そう言いながらその箱を開けると、箱の中には、折り畳んだ紙が入っていた。
紙には妻の文字で
【そういうあなたが嫌いなの…】
と書かれていた。
折り畳んだ紙を広げると、妻の名前が書かれている離婚届けだった。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話