短編2
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開けてはいけない箱

休日に家でゴロゴロしていると、妻宛てに宅配便が届いた。

ティッシュ箱よりちょっと大きいくらいのその箱には、

【本人以外開封厳禁】

と、太い字で書かれていた。

妻に届いた小包だ。

妻が開けるのは当然だ。

俺は小包を机の上に置いた。

だが、小包の中身が気になる…

本人以外開封厳禁て…妻宛てにいったい何が送られてきたのだろう?

俺は、開けたい気持ちと、開けてはいけない気持ちとを天秤にかけた結果…

小包を開ける事にした。

(綺麗に開けて、中身を見たら綺麗に戻しておこう)

これが結論だった。

丁寧に包装紙を取ると、何やら黒い箱が出てきた。

箱には、

【本人以外は絶対開けるな!】

と、赤い文字で書かれていた。

だが、ここまできたら後には引けない。

俺はその黒い箱を開けた。

すると中には一回り小さい黒い箱が入っていた。

箱には、

【本人以外箱を開けるな!開けると後悔することになるぞ!】

と書かれていた。

「後悔するくらいなら最初から開けねぇよ!」

俺は一人つぶやきまた箱を開けた。

箱の中には、またもや一回り小さな箱が入っていて、

【開けないでください。お願いします。】

と書かれていた。

まあ…丁寧にお願いされても開けちゃうけどね…

俺は当たり前のように箱を開けた。

すると、予想通り箱の中には一回り小さな箱が入っていた。

箱には、

【知りたいか?それを知るには勇気がいるぞ…】

と、どこかで聞いた事のあるようなセリフが書かれていた。

「知りたいから開けてるんだろが!」

そう言いながらその箱を開けると、箱の中には、折り畳んだ紙が入っていた。

紙には妻の文字で

【そういうあなたが嫌いなの…】

と書かれていた。

折り畳んだ紙を広げると、妻の名前が書かれている離婚届けだった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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