短編1
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ある夏の夜

暑苦しさと息苦しさで目が覚めた。

時計は午前4時を示している。

変な時間に目が覚めたものだ、と思った。

ひどく喉が渇いている事に気が付き、豆電球の光りを頼りに冷蔵庫へ向った。

友人達が「なげー!」と感嘆する自慢の廊下に出た時だった。

心臓が止まりそうになった。

玄関の前に誰かいる。

最初は泥棒だ、と思った。

僕に気が付いたのか、ゆっくりと長い廊下を歩いて来る。

しかし、すぐにその誰かは人間ではないと言う事に気が付いた。

足音がしないのだ。

ヤバい、そう思い逃げようとするが体が動かない。

金縛りだ。

体中から汗が吹き出し震えているのがわかる。

部屋から漏れる豆電球の光りで段々と姿が見えてくる。

そして、顔まで見えるようになった時、気を失いそうになった。

それは顔の半分が焼けただれた女性だった。

彼女は薄ら笑いを浮かべ、徐々に距離を詰めて来る。

叫びたいのに声が出ない。恐怖で涙が出てくる。僕の人生はここで終わりなのか、そんな事まで考えていたその時だった。

「キャーーー!」

悲鳴が聞こえた。

なにが起ったかさっぱり分からず唖然としていたが、よく聞いてみるとその悲鳴は彼女が発したものだった。

彼女は両手で顔を覆い悶えている。

そして、体を翻し元来た道を走って闇の中へ消えてしまった。

僕は全裸だった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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