短編2
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三階の女

西館三階の理科室まえのベランダには夜13時に女の幽霊が現れ、飛び降り自殺をするー

僕の学校の七不思議の一つである。

はっきり言って、僕は心霊なんかに興味は無かった。

あの日まではー

7年前の8月31日午後12時、僕は最後の課題を学校に忘れたことに気がつき、お母さんに怒られながら、大阪城付近にある僕の小学校にとりにいった。

担任のさゆり先生(名字は覚えていない)が居たので、門を開けてもらった。

僕はそのとき6年生だったので北館4階の教室だった。ちなみに席は窓側。

階段を上がって、教室に入った。

忘れ物を取り、帰ろうとすると、あのベランダが目に入った。

何のためにそこに存在し、いつ、誰が、何の目的で付けたのか、わからないあのベランダ。

当時、僕らは怖いものなど信じない、まじめな受験生タイプだった。

それなので、せっかくだから見に行ってみようと思った。

西館から階段を下りて理科室の方向へ向かう。

西館のあのベランダに行くには理科室の中を通った方が早いのだが、いつもは先生が居るため通れない。

しかし、夜なのでなんとか通ることが出来た。

中はいろんな標本があり、大きな蛾、また死んだ魚、そんなのがいっぱいあった。

ふと、出ようとするとき黒板の方を見た。

ー女の人だー

と思い、一瞬ぞくっとしたが、よく見ると食塩の濃度計算の図式の消し残しだった。

「ビビった〜。」

そう言いつつ、青色の金属製の重い扉を開け、ベランダの側に出る。

居た。

白い着物を着た人だった。

柵を乗り越え、飛び降りる体勢だった。

「ちょっ!!」

窓ガラス越しに止めようとした。しかし、間に合わなかった。

『ドグッ!!!」

という、大きな肉塊をぶつけたような音がした。

ビックリして、慌てて下におり、地面を見たが、そこには何も無かった。

早く帰ろう。

すぐに校門前に向かい走り出した。

あのベランダの死角に入るまで、後ろから見つめる冷たい視線を感じていた。

次の日。

さゆり先生が死んだ。

原因は自殺。

あのベランダで、柵にひもをくくり、それで首を吊って息絶えていた。

あの冷たい視線は、さゆり先生のものだったのだろうか。

後日、警察に事情聴取をされた。

さゆり先生は、首を吊った後、約30分ほどもがき苦しんだそうだ。

動脈がしまらなかったらしい。

しかし、今でも後ろの視線を感じるのは気のせいだろうか?

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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