中編3
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Aの真相

少女Aの後日談。

あれから1週間経った。

HにだけはAの本当の姿を教えたが、最初の第一印象からか「とても信じられん」と言っていた。

俺は「Aの事は犬に噛まれたと思って忘れよう」と平穏に暮らしていた。

夜、近くのコンビニで本を立ち読みしていると携帯が鳴った。

なんだ?と思って携帯を見るとAからの着信。

俺は無視した。

したが、しつこく着信音が店内に鳴り響く。(2分近く)ついには根負けして店を出ながら電話に出た。

「はい、もしも…」

「なんで?なんですぐ出ないの?普通彼女からの電話はすぐ出るもんでしょ!違う!?」

俺は唖然とした。彼女?いつから付き合ってんの??

状況がつかめない俺はとりあえず言い訳した。

「ごめん、いま友達と一緒だったんでなかなか出られなくて」と言うとAは

「嘘!嘘ばっかり!…だってキミいま1人でしょ?どうしてそんな嘘つくの?ちょっと左の方見てみなさい!」

言われるまま顔を向けると、10m先の街灯の下に上目遣いで睨みつけるAが立っていた。

「あひっ!!」俺は思わず変な悲鳴を上げた。

子犬のように怯える俺。

に「やっと見つけたわよ」と言わんばかりにジリジリと近づくA。

怖い…怖いよぅ…

何も出来ず立っていると、Aが隣に来て「何そんなに震えてんの?別に取って食おうだなんて思ってないわよ?」と冷たく微笑んだ。

嗚呼…こういうのを悪魔の微笑みって言うんだな、と思っている俺にAは

「だけどG君、あの後一度も電話くれなかったけどまさか浮気してたんじゃないわよね?」

またナニ訳わからん事言ってんだこの女は?と考えたが、ここではっきりさせておかないと大変な事になると思った俺は

「A…Aさん、だ…だけど俺達付き合ってるわけじゃないよね?それに山の一件でAさん怒って帰ったって聞いたから嫌われたと思っていたし…」

そう言うとAの顔色が変わり

「はぁ?付き合ってるわけじゃない?私にあんな事しておいて?」

「えっ?あんな事って…」

「もぉ〜G君ったら、そんな事乙女の口から言わせる気?もしかしてG君てS?…あっ!だったら私Mだからお似合いね♪………てか、キスしたでしょあんた!!」

今度は「あんた」か。

どう考えてもSでしょ?

それにあのキスはしたんじゃなく奪われたものだ。

頭が痛くなってきた。

どうやら「大変な事になってしまう」じゃなくて、「大変な事になっている」ようだった。

泣きそうになる俺を尻目に、Aは追い討ちをかけるように「責任とってもらうわよ!」とトドメの一言。

追い込みかけられ、ふらふらになってる俺の背後から声がした。

「お姉ちゃん!何やってんの!?」

聞き覚えのある声、振り向くと…………A?

Aがもう一人?

目の前のAは「チッ…」と舌打ちして走り去ってしまった。

うしろのAが駆け寄って来る。

「あ…あの…ごめんなさい姉が…」

姉?

立ち尽くす俺に話を続けた。

どうやらAは双子で、逃げていったのはAの姉のK。紹介の時いたのはAだが、山に行ったのは虫垂炎で入院していたAの姉のKだった。

Aは俺が待ち合わせ場所に待っているからと、Kに伝言を頼んでいたのだが、面白がったKはAに成りすましていたのだ。

これが真相、道理で変だと思った。

俺はいまKと付き合っている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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