夜の蝶は蜂の蝶々様に刺す

短編1
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夜の蝶は蜂の蝶々様に刺す

これは、僕が都内の商業地区を配っていた時の話…。

都内でも住宅地を配るなら、どうと言う事は無い。配達中に出会う人もたかが知れている。

だが、商業地区となると随分と違うモノで仕事帰りの商売女や浮浪者なんて人達と出会うのも日常茶飯事だ。

僕の後輩等は配達中に酔ったホストに絡まれて、ボコボコにされて帰って来た事さえ在る。まぁ、こう言うのは「ツイてない」出来事なんだけど…。

在る日の配達中の事だ。区域内を普通に配っていると、珍しい光景が目に飛び込んで来た。

ストリップ劇場の閉まったシャッターの前で二人の男が土下座をしているのだ。

しかも、その風貌たるや、絶対に一般人では無い…。「その筋の方」だ…。

その目の前に仁王立ちする女…。この人も凄い…。まぁ、結構な美人さんなんだが…。

次の瞬間、信じられない事が起こった!

「手前ぇ〜!女だからって、ナメんじゃねぇ〜よっ!」

女の人は、履いていたピンヒールのヒール部分で土下座する男の顔面を突くが如く、蹴ったのだ!

「すみません!」

男達はひたすらに平謝りだった…。

え…っ?その後、僕はどうしたか…って?

そりゃあ、決まってるさ…。配る物を配ったのさ…。

怖い話投稿:ホラーテラー ネクロノミカンさん  

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