短編2
  • 表示切替
  • 使い方

返して

私は20代のOLです。ワンルームに独り暮ししてます。

ある日出勤途中に指輪を拾いました。可愛いしそんなに高価そうでもないし、後で警察に届ければいいかと、とりあえずコートのポケットに入れました。

要するに半ば猫ババする気満々だった訳です(^-^)

会社に着いてから、その日は何故かついてなくて、目の前にあったはずの書類がなくなったり、給湯室で突然熱湯が出たりして、かなり泣きそうでした。

挙げ句に上司からネチネチ嫌味を言われて、本当に泣いて帰りました(TT)

おかげでマンションに帰った頃には、指輪の事はすっかり忘れていたんです。

とにかくふて寝してやると何もかもを放り出し、ベッドに入りウトウトした頃でした

何か妙な音がするのに気付きました。

ガッ!ズルル・・ガッ!ズルズル・・

布団に入ったまま部屋の中を見回し、音の正体を知ろうとしましたが、暗くてよくわかりません。

その時でした。

ガッ!と音がして窓から漏れる月明かりの中に、青白い手が現れたのです!。

手はいびつな形で床に爪をたて、そのままズルルッ、と体を引き寄せているみたいでした。

私は思考停止で固まっていました。動く事を忘れて、ただその手を凝視していました。

やだやだやだ!

何なのコレ?!

そう思っている間にだんだん近づいてきたソレは、バサバサの長い髪の毛、薄汚れた白っぽいシャツ・・びしょ濡れで今しがた水から 上がって来たかのような女の人の様なものでした。

顔は見えませんでしたが、ソレが私に向かって這いずってきたのです!

そして恐怖で固まる私に、ぶるぶる震えるいびつな手を伸ばし、髪の毛の間から見えた真っ赤な口を裂けるかというほど開き、振り絞るように叫んだのです。

「・・あぁああ!がぇシでえぇえ・・!」

その瞬間、けたたましい目覚ましの音で現実に引き戻されました。

朝になっていました。

汗びっしょりで喉はカラカラでした。

・・夢?、じゃない・・

混乱しつつも確信がありました。

私は身支度もそこそこに家を出ると、すぐに近くの川に指輪を投げ捨てました。

それからは何もありません。

拙い文章ですみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 1ヒメさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ