ナナです。続きです。
真後ろから震える声がして、私は反射的に振り向いてしまった。
息が掛かるくらいの距離。
ソレは目を信じられないくらい見開き、じっと見つめてくる。
そして「今…何時…?」
私は後ろに倒れ込んでしまった。
恐怖で声が出なくなり、ただただ震えながらソレを見ていた。
ソレは女の子だった。多分当時の私と同じくらいの外見。
ソレは骨と皮くらいに痩せていて、白くて青い血管が浮き出て、表情は悲しそう。
目を見開いて「今何時?」とそれしか言わなかった。
私は恐怖で声が出ない、体も動かない。
すると突然ソレは時計の針に指を置き、2時に合わせた。
「ニジ…ニジニジニジニジニジニジ…」
時計に向かってぶつぶつ言っているソレが急に私を見た。
すごい怒りに満ちた形相で…。
あまりの恐怖にさすがに意識が飛んだ。
朝になりいつもの様に起こしてくれた友人に、泣きながら昨日の出来事を話した。
さすがに優しくしてくれたけど、信じてはくれなかった。
その日以降、アレは現れなかった。
ただ最後に、夏休みが終わり、アレが出た部屋の主である友人が提出した課題の絵画。
そこに描かれていた風景にある時計は…丁度2時を指していた。
あれはなんだったのだろう。今でも謎で不思議だ。
皆さんも夜目が覚めた時は時計を見て下さい。
進まないかもしれません、その時は気をつけて…
長々と読んでくれてありがとうございました!
ナナでしたっ。
怖い話投稿:ホラーテラー ナナです。さん
作者怖話