短編2
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下へ参ります

今日に限ってツイてない

朝から電車が遅れて会議に遅刻するのが始まりで上司に怒鳴られ、昼飯を食べにファミレスに行くが、どこも満席…

結局食べれずじまいだった

会社からの帰りぎわの突然の豪雨、もちろん傘など無い

こんな日に限って…

何とか独り暮らしのマンションに帰り着いたが心身共に弱り果てていた

エントランスを抜けエレベーターのボタンを押す

エレベーターのドアが開いた瞬間、少し驚いてしまった

エレベーターの中に女が居たからだ

容貌からしてエレベーターガールか?しかし何故マンションに?

考えるのも疲れたので

「8階お願いします」とだけ言った

しかしエレベーターガールはボタンを押さずに

「下へ参ります」と言った…と同時にドアが閉まりエレベーターが動きだした…下に

(おいおい…このマンション地下なんて無いはず…)

頭の中でパニックを起こしている男とエレベーターガールを乗せたエレベーターは目的地と思われる階へ到着した

ドアが開くと…

「ハッピーバースデー!」

「おめでとう!」

パーン!とクラッカーにも祝福された

そう、今日は俺の誕生日だったんだ!

思わぬサプライズに驚いたが、とても嬉しくなった

祝ってくれているのが既に他界している方々でも気にしない…

ご馳走とケーキを食べた男はエレベーターへと戻る

エレベーターガールがニコリと笑い「8階でしたね?」と俺に問う

「はい」と答えながら階数表示を見た俺は(なるほどな…)と納得した

そこには『SF』の表示があった

怖い話投稿:ホラーテラー S.S愛好家さん  

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