短編2
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すぐに忘れるから

小学生の頃いつも一緒に遊んでいた幼なじみの女の子がいた。

毎日飽きもせずに学校が終わると夕方まで何かしらをして遊んでた。

でも何故か彼女の家に行った事が無かった。当時は外で遊ぶのが楽しくて気にしなかったというのもあるだろうけど…

ある雨の日「今日は雨ふってるからそのまま帰ろっか」と彼女が言う。僕は頷き別方向に帰る…フリをした。

悪戯心が芽生え(後をつけ玄関に着いた所で驚かしてやろう)という下らない事を思いついたからだ。

作戦決行

電柱の後ろや壁に隠れながら人生初の尾行を無事クリアした。

彼女がドアノブに手をかけた瞬間

「わっ!」と声をかけた。

しかし彼女は驚いた表情をしながらも冷静に

「どうしてついてきたの?ずぶ濡れだよ?」

そう、尾行に邪魔な傘は置いてきたんだ。

続けて「仕方ないけど…風邪ひいちゃうから入って」と言われ彼女の家の中へ

記憶がそこで途切れた

そして最近ふと思い出した

彼女の家を出た後の言葉、僕は彼女の赤い傘を持っていた。

「気にしないで、すぐに忘れるから」

彼女はこの後すぐ転校した。何処へ行ったかは知らない。

そしてまた忘れたはずの記憶が戻ってきた。

玄関に居たのは彼女の母親

ではなくエプロンを着けた女のマネキンだった。

もう一度彼女に会い、あの言葉を言ってもらわないと正気が保てなくなる気がする。

記憶が戻るより先に!

記憶の中の「僕」は暗い廊下を一歩ずつゆっくり歩いていく…

怖い話投稿:ホラーテラー S.S愛好家さん  

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