短編2
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ズル休み

仮病を使い会社を休んだが 外に出たくなった

ひとりゴルフの打ちっぱなしを終えて 五時過ぎ 

疲れた 

帰宅時間と重なり すれ違う人たちは なんだか生気の失せた冷たい目をして 通り過ぎていく

俺はどんな顔をしているのだろうか まだ明るい空をぼんやりと眺めていると ブルーな気持ちになる

コンビニで明日の朝飯と夕飯をついでに買って帰る

本当につまらない休日だと思ってしまった

ビールを取り出し テレビの前に座り込んで

くいっと やっている内に 

夕飯が温まる

それなりに、、、 いや 結構美味い

それなりに は口癖で

何でも語尾に良いことが付くと

それなりに、、、元気 それなりに、、、楽しい それなりに、、、幸せ

という風に いらない一言を付け添えてしまう

誰かに自分の喜びを伝えることがどうしても難しく 歯切れが悪いし 

それが原因なのか 付き合いに向く人間にはなれなかった

それなりという言葉が俺の生活には染み付いてしまって

いつの間にか 俺に寄り付こうとする人間もいなくなってしまった

誰にも気付かれずに こうしてひとりでままごとを繰り返す日々だ

どうして微かな希望に耳を傾けることが出来なかったのかと 

俺は今 とてつもなく後悔している 

 

聞き飽きて 聞き飽きて 涙が出るほど嫌いだった 電子レンジの音

勇気がなくて だから 一番嫌いな音を合図にしようと思った

でもどこかで その合図が鳴らない事を最後まで期待していた

今までくだらないと思っていた 誰かより

そんなものに 期待をしてしまったんだ

そこにぶら下がっているもの

それは 俺の似顔絵みたいなものなのかもしれない

へたくそで 醜くて それでも描けといわれて描いた自分の似顔絵

失敗したんだ

最後の最後まで 失敗だったけど

どうか 見て欲しい

この失敗作を 早く 

見付けて欲しい

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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