短編2
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相殺1

※文字数に制限があるため連投になります。

個人的にハリウッド映画が好きで、よく観ています。

ホラージャンルを観て思うのは日本の幽霊観と違う認識と悪魔という存在が印象的です。

高校時代にアメリカの留学生(以下Aとする)をホームステイとして実家に招いていました。

当時はホラーに興味を持っていたので休日はホラー作品をレンタルし、Aと映画鑑賞。

すると興味深い反応がありました。

Aはホラーでも絶対に鑑賞したくないと頑なに否定する作品が何点か存在するのです。

私がホラーを鑑賞できるのは、怖いけど作り物だという認識であるから。

Aも私と同じ意見であったので、鑑賞を拒否する作品があるのはおかしいと思いました。

普段は剽軽者のAですが本当は怖がりなのか、それとも私を怖がらせようとしているのかと思い理由を尋ねますが、この時ばかりは真剣な眼差しで『知らない方が君のためだ』と言って答えてくれません。

日本の生活に少し慣れてきたAは、日曜日に教会へ連れて行ってくれないかと頼んできました。近くにある中でも建物が一番大きな教会へ行き、私はしばらく外で待っていると日本語が流暢なアメリカ人の神父が挨拶をしてきます。

建物の中へ案内された私はAと神父の3人でお茶菓子をいただきながら世間話をしました。

冒頭でも述べた映画好きが功を奏したようで、アメリカの文化や信仰に理解があると思われたようです。

話の流れで、私は当時のホラー映画でよく観た悪魔払いやタブーとされる儀式について理解出来ないことを踏み込んで質問してみました。

しかし内容が難解であり、信者にならないと(神と契約をしないと)教えることが出来ないと諭されました。

今考えてみると、礼儀知らずで大変失礼なことをしたと思います。

映画は大半がフィクションで構成されていますが、信仰の意味合いが入っている作品についての質問は、核心に触れてしまう部分があるのでしょう。

しかし当時は今よりも世間知らずでしたので、Aがホラー映画でも鑑賞を拒否する作品がある話をしました。

すると神父は何作品か題名を言い当てます。

Aの表情は強張りますが、何故観ないのか、どうしても真意を知りたくて、差し支えのない範囲で教えてもらえないか尋ねました。

敬虔な信者は決して観ない作品で(作品名は控えます)稀ではありますがフィクションの中に本物の悪魔が入り込む。理由は映画監督や作家がタブーとされる領域に踏み入ってしまうからです。

怖い話投稿:ホラーテラー Jannuleさん  

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