短編2
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相殺 終

そして再び私に襲いかかろうとする腕が男に向かって、男自身の首を鋭い爪で貫こうとしだします。

もう片方の腕がそれを必死に阻止している姿に唖然としてしまいました。

男は聞いたことのない言葉で強く叫んでいます。

叫び終わるとなんと男は『呪いの邪魔するな…ワタシの邪魔は誰にもさせない…』と声の低い女の日本語で言ったのです。

私は直感的に逃げるなら今しかないと思い、鞄を持って走って部屋を出ました。

『マテェッ!!』と後ろで女の声がしましたが私は振り返らずにロビーでチェックアウトをします。滞在日はあと2日もあるのに朝陽もまだ昇らないうちに突然のチェックアウト。汗だくで顔色が悪い私を見て係員はただ事ではないと察して話しかけてくるが私は上の空。

無言で宿泊費を渡すと急いで外に出てタクシーに乗り、そのまま空港へ。

空港に着くと公衆電話でAに電話をし、急で大変申し訳ないが帰国すると伝えました。

帰国して私はそのまま御祓いをしてもらおうと、空港から友人に教えてもらったお寺に駆け込みました。

首筋にはポツポツと赤い斑点があり、切り傷や青あざのある私を見て驚いた様子でした。

全てを話すと、私が行った屋敷で棲みついていた悪魔の怒りをかった。

悪魔は人の姿に変えて私の命を奪いにきます。

しかし悪魔さえも気づかないモノがいました。

それは日本の廃病院で私の体内に憑いた怨霊と呼ばれる悪霊の存在です。

悪霊の目的は私を呪い殺すこと、しかし悪魔がそれを邪魔して私の命を奪おうとしたので怒った怨霊は私の体を離れて悪魔の体内に憑いて悪魔を消そうとしていました。

そして再び私に憑いて呪い殺すつもりがそうなる前に、私は逃げ出して帰国してきたと推察してくれました。

奇跡的に助かった私は御祓いの必要はないと言われましたがお経を唱えて帰宅。悪魔と悪霊がどうなったのかは、わからないと言われました。

このような事態は前代未聞だと。

今のとこ私の前には現れませんが、ただ私を探していることは確かかもしれません。

ここまでお付き合い読んでいただいてありがとうございます。

怖い話投稿:ホラーテラー Jannuleさん  

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