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"バーマノウはアフガニスタン東部やパキスタン北部のシシクー渓谷で目撃される未確認生物である。別名はバーマヌウ、バッドマヌス。
ネアンデルタール人に似た初期の原生人類と考えられており、外見の類似性からパキスタンのビッグフットといわれることもある。
ヒマラヤのイエティやアメリカのビッグフットに比べて写真などの物的証拠がなく、山岳民族や羊飼いによる目撃情報が何件か伝わっているにすぎないが、地元では何世紀にもわたるバーマノウの伝承がある。
記録に残る目撃例としては、1987年にパキスタンのラル・カーンという羊飼いの証言が最も古い。目撃者たちの証言によれば身長は180cmから210cmで全身が毛で覆われ、ひどい悪臭がするという。
1990年代に入ってバーマノウは国際的な注目を集めることになった。
バーマノウの伝承を知ったフランス在住のスペイン人動物学者ホルディ・マグラナーは、医師のアン・マラスシーンドら調査隊と共に1990年代初めにシシクー渓谷を調査し、地元の住民から言い伝えを採集している。1992年と1994年の調査では目撃者に取材はできなかったが、巨大な足跡を発見した。さらに、マラスシーンドが深夜に変わったうなり声を聞いたことを記録している。
マグラナーは1987年のラル・カーン、1988年のムハマド・ナビ、1998年のプルダム・カーンというそれぞれの目撃者から聞き取りを行い、バーマノウのイラストを残している。しかし残念なことにマグラナーは2002年8月、調査報告書をまとめて帰国する直前、パキスタン人ガイドに殺された。
調査隊の幹部がのちに語ったところによれば、バーマノウのイメージを探るため複数の目撃者に人間や人に似た生き物の写真を何枚も見せた。彼らはいずれも氷漬けにされた原生人類の写真を選んだという。それは1960年代にアメリカで見つかり、その後行方不明となった未確認生物ミネソタ・アイスマンだった。
アメリカの未確認生物研究家ローレン・コールマンは、1995年にミネソタ・アイスマンに似た生き物が埋められた場所を知っていると主張するパキスタン人と連絡を取った。その情報提供者とはその後、音信不通になったが、コールマンはバーマノウとミネソタ・アイスマンの関連性に興味を持った。
コールマンは2007年にタリバンとアルカイダ掃討のため、アフガニスタンのバーマノウが生息するとされる地域に駐留するアメリカ軍部隊に、未確認生物を掲載した図鑑その他の著書を送った。めぼしい情報は得られなかったが、しばらくして東パキスタンに駐留するマーク・レンガンカンプという兵士からメールを受け取った。
レンガンカンプは基地の図書館で読んだコールマンの本の表紙に、バーマノウを目撃したら情報をくれるようにとのメモと連絡先が記されているのに気づいて連絡をしてきたのだった。バーマノウの存在を疑いつつもレンガンカンプは情報提供をコールマンに約束した。しかし、コールマンからの続報は未だない。
マグラナーらの研究により、バーマノウの生息地域はパミール高原のヒンドゥークシ山脈からヒマラヤのカラコルム山脈にまで及ぶとされている。イエティや中央アジアのアルマスといった原人系の未確認生物と生息地域が重なる。ただし、バーマノウの物的証拠がない点と目撃情報からは違いも見られるので、同一の生物と断定するにはいたっていない。

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