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今回はガゼカ、パプア・ニューギニアなどで目撃情報のある未確認生物について紹介しようと思う。
 ガゼカは、よく、バクという哺乳類動物に似ていると言われている。バクは、豚のような胴体に象の鼻のような口物を持つ四速歩行動物で、これにかぎ爪と馬と同じ尻尾を併せ持ち体に白黒の縞模様があるものが、ガゼカと呼ばれる動物である。
 ガゼカは、一説には後ろ脚(二本)で熊のように直立できるとされ、また立った状態でかぎ爪で他動物を攻撃するなどかなり好戦的な性格を持っている。この好戦的な性格と豚のような胴体から、目撃情報のあるパプア・ニューギニアでは、“ガゼカ”、現地語で“ブタの悪魔”と呼ばれ恐れられている。
 その正体は、諸説ある中で有力なものとして、“ディプロトドン”の生き残りというものがある。ディプロトドンは、約6000年前にオーストラリア大陸を中心に生息していた絶滅種である。コアラやカンガルーと同じ有袋類で、史上最大の有袋類とされ、その全長は優に3メートルを超える大きさがあったと言われている。また、しばしば“サイほどに巨大化したウォンバット”と称される。
 目撃情報としては、目下パプア・ニューギニアに集中しており、初めてガゼカを目撃した者として、モンクトン(Mr. C. A. W. Monckton)は有名である。 
 彼は、イギリスからパプア・ニューギニアに農業開拓者として移住した人で、世に初めて“ガゼカは存在する”と認め、最初に目撃した人物である。
 アルベルトエドワード山(Albert Edward)、パプア・ニューギニアの西部に位置する山を登山中、モンクトンは、まだ付いて間もない巨大な足跡に遭遇する。足跡があった場所は地上から12500フィート、3800メートルもの高い場所で発見されたことから、モンクトンは普通の動物じゃないと考え、後学のため足跡の追跡を始めた。その日から毎日熱心に足跡周りを追跡した結果、最終的に彼はガゼカを目撃することができる。その時の大きさは約25フィート以上、2メートルを優に超える大きさだったと、後に彼が語っていることから、当時の発見の嬉しさと恐怖感は想像を絶することだっただろう。ガゼカは発見された瞬間からモンクトンに対して攻撃を開始した。毒を口から撒き散らしながらかぎ爪を武器に接近してきたところに、瞬時にモンクトンが火を炊いてぶつけたことにより、九死に一生を得たそうである。当時の恐怖感からか、彼はガゼカを“悪魔のような顔を持った恐ろしい生物”と称した。
 世の反応として、1910年代にイギリス紙、ウィスコンシンガゼット(Wisconsin Gazette)内で、“パプア・ニューギニアにて巨大な生物現る”と題し、紹介されたのが始まりとされており、当時この記事の元になった説が、前述したモンクトンの証言が大いに寄与していることは言うまでもない。
 このモンクトンの証言から、全長は2メートルを超え、かつ毒を吐いたことから有袋類と推測することができることから、上述した“ガゼカはディプロトドンの生き残り”説はかなり説得力のあるものとして世界では認知されている。
 ただ、最初の発見が1910年あたりと、現在までにかなり月日が立っていたことからその生存説は最近までなりを潜めていた。しかし、最近2009年にも新たにパプア・ニューギニアで発見されたという記事も散見されることから、その存在を否定することは今の所難しそうだ。