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グロブスターとは海岸沿いに漂着する正体不明の肉塊のことで、一般的には「地名+Blob」で表記されることが多い。

名前の由来は「グロテクス・ブロブ・モンスター」の略語で、「ブロブ」というのは1962年に「オーパーツ」というワードを作ったことで有名な動物学者アイヴァン・サンダーソンが作った造語である。

世界中の海岸で発見されており、オーストラリアやニュージランド、アメリカなどから数件の発見報告がされている。あまりにひどい悪臭を放つのでほとんどは調査される間もなく破棄されてしまうため、正体は明らかにされていない。

しかし、全体の長さが10mを超えたものや、両翼を広げた翼竜のような形のもの、牙や腕のようなものを持った肉塊も発見されており、地球上に生息する海洋生物で発見されているものの中にはそれほどのサイズのものは多くはない。

いずれにしても肉塊自体が大人数に発見されているため、他のUMAなどと違って実在の生物の死骸であることは明らかである。

発見されたグロブスターの中には毛のようなものが生えたものも発見されているが、これは鯨の筋繊維(白い毛のような繊維)が腐敗して露出したものではないかと言われている。また、一度学者たちによる調査が行われて事があるが、結果は無脊椎動物か鯨のしがいの一部ではないかということで落ち着いている。

しかし、このグロブスターにはそれだけでは解決できない疑問点が幾つかあり、ひとつはこのグロブスターと呼ばれる肉塊はどれも生物の体をなしたものがひとつとしてなく、四肢や骨格などが全く発見されない点である。

どの肉塊も全く生物として判別可能なものが無く、発見されたもののどれもサイズがバラバラで、どの生物であるか推測が難しいということも、他の生物の死骸とは全く違う点のひとつである。

またもう一点の疑問点は、この肉塊は腐敗しているにもかかわらず腐臭をほとんど発さず、地元住民たちが取り囲んだり、棒でつついたりすることもあるため、この点でも普通の腐敗した死骸とは全く違ったものであることが分かる。

この2つの点からも、グロブスターが単なる鯨の死骸の脂肪部分であるとか、無脊椎動物だという仮説がなかなか落ち着かないことも納得できる。

またこの肉塊、バミューダ海域から頻繁に流れてくることが多く、バミューダ島付近では3度ほど連続してこのグロブスターが発見されている。こういった点からも一説には地球外生命体ではないかとも言われている。

グロブスターは日本でも発見されており、奄美大島で発見された肉塊は白く、直径6メートルほどのものだったそうだが、結論は「水頭症の鯨の死骸」というなんともこじつけたような結論となった。

グロブスター自体はどこれも骨格が剥離、あるいは元からないものが多く、鼻や口なの判別可能なものが何一つないというのが謎を呼んでおり、地元民たちに片付けられてしまうというのも調査が進まない原因のひとつとなっている。

ただし目撃証言自体が少なく、未発見の生物であることを証明するには証拠不足ということで現在もこの肉塊がどこからやってきて、どういった生物のものなのかということは謎に包まれたままである。