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どんなに書いても文章が下手くそなため上手くまとめられませんが、母の話。

山の中のド田舎の小さな町に住んでいた時の話。
この時の家は結構立派な平屋で敷地面積も広く、裏に川があったり、家の前は結構立派
な舗装と庭で、当時小学校低学年の私はガマの穂を採って爆発させたり、庭のヨモギを
ヨモギ餅にしろと無茶を言ったり、ヤマユリの花粉を服に付けて怒られたりしていた。
その家の斜め後ろに老木の桜と廃屋があった。

桜はこじんまりとした老木だったけど、ポツリポツリと綺麗に花が咲くため父と私は気にいっていた。
桜には朽ちかけた木の梯子がかけてあって、危ないからそれには登るなと口酸っぱくいわれていた。
廃屋って言っても多分物置小屋サイズだった気がする。
ボロボロで、いつ崩れてもおかしくなさそうな感じだったので、小さいながらこんな
危ないものをなんで放置してるのかなーと思っていた。

引っ越した数年後のある日、昔住んでたその家の話を母としていた。そして桜の木と廃屋の話になった。
「言わなかったけどさ、桜の頃になるとあの木の横に女の人が立ってたんだよ」
桜が咲く頃になるといつも白くぼんやりとした影が立っていたらしい。母は女の人だと感じていたようだ。
桜の方を向いている方が多かったけど、たまに廃屋をじっと見つめている時もあったそうだ。
「きっと何か気になることがあったんだろうね。だから多分あの小屋は壊されなかったんじゃない?」
それを聞いてビビったのは私。桜が咲いた時、たまに桜の花をちぎって押し花にしていたのだった。
怒ってたらどうしよう、と若干青ざめながら母に相談すると「大丈夫じゃない?住んでた時、あんたに
はなんもなかったでしょ」とのこと。
しかし「桜の花採ってたってことは、あのボロボロの梯子のぼったんだ!何もなかったから良いけど、
危ないでしょー」と数年越しに悪事がばれた。