自動販売機のジュースがプルタブ式になった理由

世界からビックリされる、日本文化の一つ、自動販売機。

自動販売機自体は世界中にあるが、実は、日本の様に、街中にポツンと置かれていることは非常に珍しい。
というのも外国では路上に設置しようものなら、翌日には壊されて中身を全て持って行ってしまうからだ。

そんな自動販売機で売られているジュースは、今やほぼ全てがプルタブ式である。

実は、用途上の理由から採用された訳ではなく、ある凶悪事件によって採用されたと言われている。

それが、1985年に起きたパラコート事件である。

元々、自動販売機で販売されていた飲料の多くはプルタブ方式ではなく、瓶詰めにされた飲料が販売されていた。

事件の概要はその瓶詰めにされていた自動販売機の飲料に、パラコートと呼ばれる除草剤を混入するというものだ。

瓶の蓋が、開封と未開封でイマイチ分かりづらく、一度開封後、再度蓋を締めても、未開封品と見分けがつきにくかった。それを利用した犯人は、パラコートと呼ばれる除草剤を混入し再度、自動販売機の受け取り口に入れるという手口を取ったのだ。

この事件による死者は12人。

更に事件の犯人は捕まっておらず、未解決事件となっている。

その事件がきっかけとなり、日本では一度開封すると未開封との区別がきちんと付けられる、プルタブ式が導入されたというのだ。