東京マラソンに潜む国家機密

2007年から初めて開催され、毎年3万人以上のランナーが首都東京を疾走する「東京マラソン」。一般市民も参加することができるこの日本最大規模のマラソンは、ランナーがたくさんの応募者の中から抽選で選ばれるなど、とても人気の高い大会である。

その人気の理由の一つに、都内の名所を巡りながら、普段は決して走ることができない主要道路を疾走できることが挙げられる。しかし、そのためにはコースとなる幹線道路を7時間も封鎖するという異例の措置が取られているのだ。

なぜ、そこまでしてこのような大規模な大会が開催されているのだろう。

実は、この大会の裏には壮大な国家機密が潜んでいたのである。

なんとこの大会、東京で大災害や、大規模な地下鉄サリンのようなテロ事件が起こった際、人々の動きをシミュレートするために開催されているのだという。

災害やテロといった有事の際、多くの人が一斉に避難することになるのだが、その際の移動時間などをランナーを用いて計測し、新たな避難経路を作成するのに役立てていると言われている。いわば、有用なデータをサンプルし、大災害時に備えるために開催しているのである。

大会の参加者には、事前に「RCチップ」と呼ばれる無線用のICチップが配られ、そのICチップを身につけてマラソンに参加することになっている。
ICチップはGPSと連動しており、参加者の通過ルートや所要時間などが全てサンプルできる仕組みなのだ。

「東京マラソン」は他のマラソンに比べ、障害者や車椅子のランナーの参加枠がとても多い。これはハンデキャップを背負った人の移動データをサンプルし、大災害の際に容易に非難できる経路を作成する上で重要なためであるのだ。

世界各地の主要な都市を舞台とするマラソン、例えば「ベルリンマラソン」や「ロンドンマラソン」は周回コースであるし、「ボストンマラソン」、「ニューヨークシティマラソン」は直線コースを走るのに比べ、この「東京マラソン」は、霞ヶ関を中心とした十字路のコースを走る。
わざわざ複雑なコースを走る理由もこの都市伝説の信憑性を高めているのでは、とも囁かれている。