アナベルという名の人形をご存知だろうか。呪われた人形として、2013年の大ヒットホラー映画『死霊館』(ジェームズ・ワン監督)に登場し、さらに『死霊館』の前日譚&スピンオフ映画『アナベル』(ジョン・R・レオネッティ監督)では主役の座に躍り出た。アナベル人形の由来を描いた『アナベル』は、2014年10月から全米を皮切りに世界各地で公開され、観客を震え上がらせている(日本公開は2015年2月予定)。
映画は2作とも実話に基づいているとされ、アナベル人形も実在する。映画で使用された恐ろしげなビスクドール風の人形とは異なり、実際のアナベル人形は、アメリカの国民的キャラクター「ラガディ・アン」の何の変哲もない布製の抱き人形だ。しかし今それは、悪魔払いを施されたうえで、米コネチカット州にある超常現象研究家のエド&ロレイン・ウォーレン夫妻のオカルト博物館に厳重に保管されている。

アナベル人形の物語は、1970年にさかのぼる。大学で看護学を学んでいたドナという女性が、誕生日に母親からヴィンテージのラガディ・アン人形をプレゼントされた。当時、ドナはアンジーという名のルームメイトと小さなアパートに住んでおり、その部屋にはふたりの共通の男友達のルーもよく訪れていた。人形が家に来てから数日後、ドナとアンジーは奇妙なことに気づく。最初のうちは、すぐにはわからない程度だったが、人形の位置がいつも微妙に変わっているのだ。そしてある日、人形をカウチの上に置いて出かけたドナとアンジーは、帰宅してそれがドナのベッドの上に移動しているのを発見した。 気味悪がった友人のルーは、この人形は邪悪な存在に違いないと燃やすことを提案する。ドナとアンジーはそんなルーをからかうばかりで、人形をそのままにしておいた。しかし今度は、自分たちが持っているはずもない昔の羊皮紙に書かれたメッセージが、家のそこここで見つかるようになった。いずれも子どもが書いたようなたどたどしい文字で、そのうちの1枚には「ルーを助けて」と書かれていた。
霊媒師に相談すると、この人形には、ドナのアパートがある土地にかつて建っていた家で暮らし、7歳で死んだアナベル・ヒギンズという少女の霊が取り憑いていることがわかった。だが、霊媒師いわく、アナベルはドナとアンジーに親しみを感じ、ふたりのそばにいたいと考えているという。幼くして死んだ少女に同情したドナは、人形をそのまま部屋に置くことにした。その頃、ルーは毎晩のように、足元から這い上がってくるアナベル人形に首を絞められる夢を見ていたが、ある晩、夢とは思えないほどリアルな感触で目を覚ました。後日、ルーはドライブ旅行に出かけるためにドナとアンジーのアパートを訪ねた。そのとき、3人がいるのとは別の部屋から奇妙なカサカサいう音が聞こえてきたため、様子を見に行ったルーは、部屋の隅にアナベル人形を見つける。人形に近づくにつれ、ルーは胸に激しい痛みを感じて体をよじった。シャツには血がにじんでいる。部屋を出たルーがシャツをめくると、その胸には気味の悪い獣の爪痕が7つ残されていた。
ここにきてようやく、ドナたちは著名な超常現象研究家であるエド&ロレイン・ウォーレン夫妻(『死霊館』ではパトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガが演じた)に助けを求めた。夫妻は、アナベル人形に取り憑いているのは善良な少女の霊ではなく、悪霊に操られているのだと結論づけた。ウォーレン夫妻はクック神父に人形とドナの部屋の悪魔払いを依頼し、その後人形を自分たちの家に持ち帰った。しかし、アナベル人形はウォーレン家のなかでも勝手にあちらこちらと場所を変え、ついに夫妻はそれを特製ガラスケースに封印し、自宅敷地内にあるオカルト博物館に納めた。
現在も同博物館に展示されているアナベル人形のケースには、「絶対に開けるな」「触るな」という目立つ注意書きが貼られている。しかし、ウォーレン夫妻のウェブサイトによれば、その注意を守らず、アナベルのケースをばんばん叩きながら「危害を加えられるものならやってみろ」と挑戦した若い男性は、博物館からの帰路、バイクごと木に衝突して即死したという。
なお、エド・ウォーレンは2006年に79歳で死去したが、ロレインは87歳の現在も調査と博物館の運営を続けている。

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この人形はトラウマレベルの怖さ...