八つ墓村 8人の落ち武者たちのたたり

「八つ墓村」は、松竹が1977年に制作した映画で、野村芳太郎監督作品です。原作は怪奇もので知られる横溝正史で、岡山で昭和初期に実際に起きた「津山30人殺し」の事件がもとになっている物語です。金田一耕助探偵は、渥美清が演じました。映画は大ヒットして、作品中の婆様が言う「たたりじゃー」というセリフは当時の流行語にもなりました。豪家の多治見家のあととりである辰弥が、父方の親類の未亡人森美也子に連れられて、故郷の八つ墓村に戻ってくると、それに呼応するように、連続殺人事件が起こり始めます。実は、この村は、戦国時代に落ち武者8人をだまし討ちして殺したという歴史があり、首謀者だった男が発狂して7人を殺し自分も死ぬという事件が続いて起きて、その落ち武者たちのたたりを恐れた村人たちは8つの墓を建てて彼らの霊を慰めました。それでいつしか村は八つ墓村と呼ばれるようになったのです。辰弥の父であるという多治見要蔵は、28年前に恐ろしい事件を起こしていました。無理矢理連れてきた妾が脱走すると、発狂した彼は妻を殺し、村人32人を日本刀と猟銃で惨殺し、そのまま失踪したというのです。32人という犠牲者の数は、8の倍数でもあります。そしてまた始まった連続殺人・・・。八つ墓村に、優秀な私立探偵である金田一耕助がやってきて、真相の解明につとめます。この映画ではたたりをそのまま肯定してたたりとして描いているので、ホラー映画らしくなりました。