心霊写真 写真に写りこんでいるそれはどこにいるのか?

2004年タイの映画です。2008年ハリウッドで『シャッター』(監督:落合正幸さん 出演:ジョシュア・ジャクソン、奥菜恵さん他)のタイトルでリメイクされています。

アメリカのホラー映画では悪魔が突然人間に恐ろしいことをしてくるというパターンが多い気がします。悪魔思想が無く、どちらかというと仏教思想に近い日本人の私には、悪魔の存在よりも亡くなった人間の怨念のほうが恐ろしいと感じます。私個人の勝手な意見ですが、アメリカなどの西洋思想の方たちと私たち日本人は、ひょっとしたら恐怖の対象に関する捉え方が違うのではと思っています。

このタイの映画『心霊写真』では、亡くなった人間の霊の怨念で不可思議で恐ろしいことが起こるので、私たち日本人が恐ろしいと感じるものの思想に近く、理解しやすい身近な恐怖だったように思います。

映画のストーリーは、カメラマンのタンが、恋人の女子大学生ジェーンと、タンの大学時代の友人の結婚式に主席する場面から始まります。その友人の結婚式の帰り道、タンを助手席に乗せて車を運転していたジェーンは、若い女性をひき逃げしてしまいます。その後、2人の周囲で次々と不可思議で恐ろしい事件が起こり始めます。
映画前半は、ひき逃げ事故から始まり心霊写真など数々の心霊現象が起こり友人が次々に死んでしまうなど連続して不幸がふりかかってきてしまう主人公とその恋人に同情し気の毒に思って観ていました。しかし、映画が進むにつれて、その気持ちが変わってきます。心霊写真に写りこんだ女性が誰で、どういうことがあったのか、今はどうなっているのかが判明するにしたがい、主人公タンの過去に、ある事実が発覚します。それを知ってからの映画のラストは、その幽霊の存在はもちろん怖いままですが、本当に怖くてひどいのは、やはり人間なんだなあと改めて気付かされました。まさに因果応報。

ラストに、その幽霊が今までずっと、「どこ」にいたのか(憑いていたのか)がわかりますが、そこがこの映画の一番の恐怖ポイントな気がします。映画の中盤、そのヒントがあるのでご覧になった方は途中で気づかれると思いますが、はっきり映画ラストに、その映画中盤のヒントの答え(ヒント:ある数値)が明かされると「やっぱり~っっ?!!」と思いつつも、背筋がゾ~~~ッとしました。