ペット・セメタリー 可愛らしい子供ととゾンビのギャップが怖さのもと

スティーブン・キング原作ということで、原作を読んでから映画を見てみました。我が子を愛するあまりに、してはいけない埋葬をして子供をよみがえらせる話です。本では死んだはずの飼い猫が、ひげの先に血一しずくつけていることで「おや?」と思うなど、とても細かい描写があって、怖さが胸に迫ります。映画ではペットセマタリー自体、映像でみると自分で想像していたものから決定づけられて、逆にそれほど怖く感じない部分もあるなというのは、新しい発見でした。想像の中であやふやな方が怖かったりするものなのですね。愛するものの死を認められず、直視できずに、どういう形でもいいから生き返ってほしいと願ってしまうのは自分でも想像できるだけに、登場人物を責めることもできず、悲しみのうちに話をおってしまいます。生き返ったのはいいけれど、本当に生きていた頃とは全く違って恐ろしく凶暴になっているので、「あ、これはホラー映画というカテゴリーだったんだ」と思い出すことになります。生き返った子供は、いってみればゾンビですが、ゾンビとかキョンシーってどうしてみんな揃いも揃って凶暴なのでしょうか??でも、生きていた頃のかわいさがあるからこそ、ゾンビになったときの凶暴さ、恐ろしさが倍増するということはあるかなと思いました。ゾンビのおぞましい顔、鋭い歯や尖った凶器の先端、血が流されて、痛みと恐怖から出てくる叫び声はまぎれもないホラー映画だと思います。