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REC/レック じわじわと恐怖が募っていきます

「REC/レック」はスペインで大ヒットしたホラー映画で、ハリウッドでもリメイクされたことがあります。
消防士の密着取材をしているドキュメンタリー風に撮影されていて、その和気あいあいとした雰囲気はホラー映画を観ていることを忘れるほど自然です。しかし待ちに待った通報を受けるとある建物に出動するのですが、理由を明かされないままその建物内に隔離されることになってしまいます。そこから徐々に不可解な空気に包まれ、ミステリー作品を観ているような感覚で目が離せなくなっていきました。
よくあるホラー映画のストーリーはゾンビであったり霊であったり、立ち向かう敵となるものが分かっているパターンが多いと思うのですが、RECははじめ何が起きているのかすら不明です。ただならぬ事態が起きている”らしい”という先入観で恐怖心が募っていくのです。
また、後にその建物内から未知の感染症が発見されたことが判明すると、更に絶望感が襲ってきます。狭い空間に隔離されているため、隠れることにも限界がありますし、外からは完全に包囲されているため逃げ出すこともできないのです。その中でしだいに感染者が増えていき、どんどん追い詰められてしまいます。
びっくりさせるシーンや激しい戦闘シーンなどの演出はあまり無く、とにかく精神的にくる恐ろしさを盛り込んだ内容だと思いました。
非常におもしろい作品だと思うのですが、オチがはっきりしない終わり方をしているのでそこが惜しい点です。