言わずと知れたスティーブン・キング原作の同名小説をもとに、巨匠キューブリックがメガホンをとった名作です。
雪に閉ざされるホテルの冬季管理人として住み込むことになった一家。
神経の細い小説家の父と優しい母との間に生まれたダニーは、「シャイニング」と呼ばれる第六感のようなものを持つ子どもでした。
かつて凄惨な殺人事件となったホテルには怪異がひしめいています。
それらを目撃しては怯えるダニーでしたが、次第に父の様子が...。
わたしは原作の小説も読みました。
キングはモダンホラーの巨匠と呼ばれることの多い作家で日本での人気も大変高いですが、はっきり言って冗長な作品が多いように感じます。
「シャイニング」もそうでした。
しかしこの映画は、そのエッセンスをうまく使いながら無駄のない構成をとっていて、退屈を感じさせません。
さすがはキューブリックというべきでしょう。
日本では1980年公開の映画ですが、今日大量消費されている安手のホラー映画にも見習ってほしいと思う点がいくつも感じられます。
そのうちの一つは俳優陣でしょう。
父親役のジャック・ニコルソンの狂笑がDVDジャケットやポスターに起用されていますが、実はあの影で母親役を演じたシェリー・デュヴァルの熱演がありました。
ホラー映画というものは、ただ怖がらせるだけではなくて、怖がってみせるというのも大事な要素です。
素人同然の役者を使って制作費を抑えるのも結構ですが、できればあんな表情のできる俳優たちを使ってほしいものです。
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