ホラーとスプラッタを愛してやまなかった高校生の頃に見た映画です。
今改めて調べてみたら、「ゴースト/血のシャワー」なる映画のリメイクだったそうです。
なるほど、確かにストーリー展開はちょっと古典的です。
2000年代初頭には最新技術だったVFXを多用し、冒頭1シーンだけで100人単位の人が惨殺されるというのはかなり衝撃的でしたが、映画全体としては静かな印象でした。
ネタバレにはなりますが、この映画では「少女=処女=善なるもの」という概念が全体を貫いています。
その概念は、日本人なら誰しもが持ち合わせる、暗がりにぼんやり現れる女の子を見ると背筋がゾッとする...という感覚との間に、決定的な違和感を生じさせてしまいます。
その違和感に気づいた瞬間、「じゃあこいつらは死ぬな。どんな風に死ぬんだろう」というワクワク感だけが残る単なるスプラッタ映画に成り下がってしまうのが残念でなりません。
スプラッタとしての出来も大したものではなく、この映画にスプラッタ要素を求めてしまう人でも、「同じ時間で『サスペリア』でも見ればよかったかな」と感じてしまうでしょう。
映像技術は素晴らしいのにそれを活かしきることができず、ひたすら「すごいだろ!こんな殺し方だって見せられるんだよ!」と自慢されているようなもの。
わたしの場合はレンタルショップでオススメされていただっただけにショックも大きかったのだと思いますが、総評としてはやや駄作といったところです。
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