ゾンビ自衛隊 B級ホラー・コメディ。

富士の樹海にUFOが墜落した衝撃で、樹海に眠る死者たちがゾンビとなって甦りだす。
演習中の自衛隊、イメージビデオ撮影中のアイドルとそのスタッフ、邪魔者をバラしにきたヤクザたち、樹海でペンションを経営する不倫カップルらが、ペンションに篭城して群れなすゾンビと戦うB級ホラー・コメディ。
まずオープニングで中身のない右翼のアジみたいなナレーションが垂れ流され、そこでドン引き(一応伏線だったんだけど)。
しまった、ハズレかー。とちょっと後悔するが、物語は非情にバカバカしくもテンポよく進行し、76分という短さもあって退屈せずに楽しめた。
低予算映画のわりにゾンビメイクや内蔵・脳みその飛び出るグロ描写はがんばっていて、予想外にクオリティ高し。
妊婦ゾンビから生まれる胎児ゾンビ(武器はへその緒。動きめっちゃ速い!……が、見た目は安っぽい子どもの人形)はバカバカしくも斬新。
自衛官がゾンビ化しても生前の仲間を見るとちゃんと敬礼したり、ゾンビ化したヘアメイクさんがアイドルを襲いながらもきちんと髪を梳かしてあげてたりと、お前ら仕事熱心だな! 見習いたいわ!!
主な舞台となるペンションも、たぶん物件借りててクリーニング代節約したいのか、床が汚れないようビニール敷いてて不自然すぎw
しょぼすぎる宇宙人や、予想はしてたがブッ飛んだ終盤のバカ展開にも笑いがとまらない。
このほかにもペンションのなかに散弾銃や日本刀がゴロゴロあったりと、もうツッコミどころ満載!
ロメロ『ゾンビ』のオマージュらしいシーンもあるんだが、無数のゾンビに内蔵むしられながらも主人公の隠された秘密を説明してくれるメガネ自衛官に涙w
キャストはみんなマイナーかつ当然にように演技ヘタ。
一番有名で、観れる演技してるのがみひろってw
自己中で小悪魔ビッチなアイドル(当然お色気担当)を演じるみひろがハマリ役だったのと、主人公の女性自衛官を演じる渡瀬美遊がかなりカッコ可愛かったのが○!
ロメロ映画が内包していた社会諷刺や極限状況下のディープな人間ドラマこそないものの、グロ・エロ・笑い、と個人的にゾンビ映画に求める要素が3拍子そろってて、気楽に楽しめる低予算ゾンビ映画だった。