ロメロゾンビを観たいと思ったら90年版を引いてしまった。
リメイク版ドーン・オブ・ザ・デッド(Dot;D)に続いて、未だ本家のゾンビ映画はまだ観ていない。
60年版は版権消失物なので、「雨に唄えば」のように動画サイトに挙がってないものだろうか・・・。
この映画のゾンビはあまり強くない。
それゆえ、逃げようと思えば簡単に逃げられるし、弱点さえわかっていれば倒すのも追い払うのも難しくない。
だが、それにも関わらず、籠城戦における生存者はバーバラたった1人だけである。
他の生存者を死に追いやったのは何か?
それは焦り、執着、対立・・・それらによって判断を誤り、冷静さを失い、時に運悪く、生存者は1人また1人と倒れていってしまうのだ。
また、エンディングもなかなか面白い。
夜明けの生存者達のキャンプ場では、ゾンビ狩りで残しておいたゾンビと決闘する遊戯を行ったり、木に吊るしてから処刑したりと一種の娯楽として楽しんでいた。
一方、最後まで対立していたクーパーは、生きているのがわかっていながら、バーバラに殺されるのだ。
極限の状況下に陥った時、如何に人間が冷静さを欠きやすく自ら破滅への道へ進んでしまうのか・・・また、人間が如何に醜い心を持った生き物なのか・・・この映画はそれを見事に描ききっている。
リメイク版のDot;Dはゾンビの脚力を大幅に強化したため、軍でも対処できず、結果的にどうしようもない終末世界を描く事には成功した。
だが、あまりにも強化しすぎた為か、こうしたゾンビ映画の本来の醍醐味を活かせなかったようである。
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