2007年公開の悪魔系ホラー映画。制作費わずか100万円台という非常に低予算の割に、その完成度の高さが話題となった作品。
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「REC」で有名なモキュメンタリーという手法が使われており、作中での映像は登場人物がカメラを回しているという設定である。
ストーリーは同棲中のカップルの家で怪奇現象が起こるというものなのだが、このカップルを演じているのが無名の俳優であるし、部屋のセットなども金がかかってないだけに、実に生活感が漂ってB級が故のリアリティも出てくる。そのため、話題になった割には地味なホラーだと感じる人もいるかもしれないが、これは実は凄く計算して作られているのである。最初からむやみに叫んだり血を見せたりして観客をビビらせるのではなく、徐々に怪奇現象が大きくなっていく。悪魔の乗り移った女が、夜中に男が寝ているベッドの横に数時間立っている姿ところなどは、スプラッターの派手な演出をするよりよっぽど不気味である。
だから、大作として観るのではなく、あくまで低予算の良作として観ればいい。
作中で幽霊の専門家のような男が現れて、自分は幽霊の専門家だから悪魔は専門外だ、みたいなことを言って帰ってしまうのだが、欧米では幽霊と悪魔というのは完全に別物なのだろうか。これは、何でもかんでもごちゃ混ぜにしてしまう日本人には分かりにくい感覚である。こういうホラー作品をもっと楽しむためには、自分もキリスト教圏の文化を勉強するべきかもしれない。
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