この映画、普通に怖いですよ!?
トビー・フーパー監督の鬼才ぶりが遺憾なく発揮されているホラー映画だと思います。
「悪魔のいけにえ」でもこの映画でも観てて思うんですけど、この監督、キチガイを描くのが巧すぎますよ。
でも、監督自身はものすごーくマトモで頭が良くて恐怖から距離を置ける人です。
だからこそドライな目線で物語が紡ぎ出せるんでしょう。
「悪魔のいけにえ」でも客観的なロングショットを導入する事が多かったです。
このロングショットが恐怖を倍増させるスパイスにもなってるんですよ。
計算してやんないとこんな綿密なロングショットを撮る事は出来ません。
この監督はマジで天才だと思います。天才過ぎて以降は自分の望む作品には恵まれなかったけど。
前半部分はカーニバルで戯れる若者四人の姿を追うことに徹底しています。
そうする事で観客は若者四人と同一視点を持って、物語の中の日常に入り込む。
しかし、実はその日常にはひそかに非日常ともいえる不気味なものがこっそり棲みついていたんです。
それが分かるのは中盤、若者四人が無謀にもカーニバルのお化け屋敷の中で一夜を明かす事にしたところ。
若者四人がお化け屋敷に入り、閉店時間が訪れて、お化け屋敷の中のお化けたちが一斉に電源をオフにされます。
日常から非日常へと移る瞬間です。ここからはもうノンストップです。
この橋渡しが巧みなんですよね。並の映像作家には出来ない芸当ですよ。
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