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ミスト 混乱の中の人間を実にリアルに描いた秀作

モンスターパニックとしてもなかなか面白いもんですが、モンスターなんぞどうでも良くなるぐらいとにかくスーパーにこもった人々が怖い。不安や恐怖が目の前にあると、なにかにすがりたくなる。んで、普段は信じない神やらなんやらを信じたくなって神の預言者(エセ)を崇め始める…その過程が地味にリアルに描かれてるわ。特に後半で主人公サイドのおっさんが薬局の惨状見て正気失う→暴徒化ってのがなんともリアル。
そんな向かい風にも負けず、主人公グループは果敢に行動してその都度多少の成果はあげるものの、絶望的状況の大局は変わらず、ある行動を決断する…で、件のラストへ。
ストーリー運びは綺麗で説得力もあるし自分が思う作品の裏テーマと照らし合わせれば、すごい納得いくラストやった。後味の悪さは置いといて。笑
その自分なりに導き出したこの作品の裏テーマとは「最善の行動が必ずしも最良の結果につながるとは限らない。」
最初にゴネて出てったBBAの顛末、劇中の主人公たちの行動とその結果、ラストシーンから考えついたんですが…どないですかね?
そーいえばキャストさんは見たことなかった人ばっかりやったなー。主人公の演技力もすごかったが、自分はエセ預言者に拍手を送りたい。観てるだけでこれだけイライラさせられたのファニーゲームのあの兄弟以来かも知れん(笑)あとスーパーの射撃の名手。ビジュアルとは裏腹にやたらかっこよく見えた(笑)
ラストばっかりが取り上げられがちですが、混乱の中の人間を実にリアルに描いた秀作やと思います。