エスター ラスト20分の鳥肌演出がスゴイ

この映画はホラーではなくサイコホラーのジャンルですが、終盤でその理由がわかります。
主演はとてもかわいい女の子なんですが、何と言うか、この女の子変なんです。
とてもお利口ないい子なんですが、言い表せない不気味さが出てるんですよ。
引き取った里親も若干の不気味さは感じているようですが、いまいち気付いてないんです。
見てるこっちには危険なオーラがすごいんですけどね。

映画中盤になり、里親に引き取られてしばらくすると、予想通り意味深な発言や行動が始まります。
歯医者を頑なに拒否しだして、母親にあからさまな反抗をします。
なぜ父親にはいい子なの?なぜ母親には嫌悪な雰囲気なの?という恐怖感が高まりました。
母親への憎しみが行動に出た時は、女の子の冷たい表情にゾッとしました。
母親が大切に育てていた形見のバラをめちゃくちゃにし、自分の腕を骨折させるシーンは目を背けたくなります。
これほど異常な行動を見せておきながら父親にはとてもいい子なので、その豹変ぶりがホラーです。

終盤では女の子がなぜ孤児院に入っていたかが解明されます。
それらのシーンで、見ているこっちも少しずつ背景が読めてきますが、劇中の母親達は気付いておらずもどかしかったです。
更には父親にまでも豹変した姿を見せ始めるので、この家族に迫る危険をヒシヒシと感じました。
ハラハラしてようやくラスト20分、とんでもない思い込みをしていたことを思い知らされました。
予想もできないようなサイコな結末が待っています。
ラストでのどんでん返しはありきたりですが、この映画はそのどんでん返し予想すら裏切られるホラーです。