ドーン・オブ・ザ・デッド ゾンビのルール変更ですね

私が、大好きなゾンビちゃんと最初に出会ったのは、今から30年以上前の映画館でした。この作品の元となった、それこそタイトルはそのまま『ゾンビ』です。死んじゃった人達が歩き出して、生きている人間を食べてしまうという、おぞましくも斬新な設定に、なぜかゾンビが好きになりました。そして、もう一つゾンビを好きでいられた理由は、確かに不死身な存在のゾンビですが、噛まれなければ何とかなるし、動きものろいので、もし現実に襲われても何とかなるだろうという、ゾンビに対して上から目線でいられたからです。しかし、この作品を見て、その優越感は無くなってしまいました。
ゾンビが走るのです。リメイクのはずなのに、前は歩き方さえもたもたしてのろかった奴らだったのに、今回は思いっきり走るのです。
厳密に言えば、その前にも走るゾンビはいました。でもそれはまれな存在だと思っていたのですが、元祖のゾンビのリメイクで走られた訳で、私の中で、ゾンビが本当に怖い存在に変わった瞬間でした。
作品の内容は文句なしです。ホラー映画の代表作品と言っても良いでしょう。グロいし、血も出ているし、登場人物の役割分担もはっきりしているし、文句の付け所はありません。ゾンビ映画は大きく分けて、局地的なジワジワくるタイプのものと、スケールの大きい娯楽作品的なものがありますが、これはどちらかというと後者の方だと思います。でもやっぱり、個人的には、ゾンビには走って欲しく無かったと思いました。