死霊のえじき ゾンビ蔓延後の世界で地下基地に立て篭る

本作で一番重点を置いて描かれるのは、「ゾンビと人間の共生は可能なのか?」ということ。もはやゾンビ:人間=40万:1になってる世界でゾンビの根絶は無理ゲー。だとしたらゾンビを人間の思うようにコントロールするしかない!ってことで、ローガン博士(リチャード・リバティ)は日夜研究に勤しむわけです。でもあんまり今詰めてやってると頭おかしくなっちゃうよね。「言うこと聞いたからご褒美をあげなくちゃ!」と。ゾンビが最も欲するもの、それは人間の肉。ダメじゃん。そら部下の死体を切り刻んでゾンビの餌にしてたら、ローズ(ジョセフ・ピラトー)もブチ切れるよね。

ローガン博士に飼い慣らされたゾンビのバブ君(ハワード・シャーマン)のキュートさも見所の一つ。特典映像観ると普通のおっさんですが。バブが生前の記憶を思い出したのか、ローズに向かって敬礼したり拳銃の引き金を引いたりするシーンは思わずゾクッとしてしまう。これがラストの伏線にもなってるしね。

完全に悪役扱いのローズさんですが、これもまた会社の中で実働部隊と事務方が喧嘩するみたいで面白いんだよね。部下がどんどん死んでくのに事務方はマイペースだし。今回再見して何となくローズさんにも感情移入しちゃいましたよ。まあ部下見捨てて自分だけ助かろうとするクズ上司でしたが。そして特典映像観るとこの人だいぶピザってました。

映像に関しては30年前の作品とは思えないクオリティ。生きながら身体引き裂かれて喰われるなんて、一番迎えたくない死に方じゃないですか。それをホントにリアルに表現してるのが凄い。