4匹の蠅 アルジェントが好きな方にはぜひオススメの一本

ダリオ・アルジェント監督の初期の作品です。『サスペリア2』でブレイクする前のいわゆる「動物三部作」の最終章。

先日久々に『サスペリア』を観て思ったのですが、この人の映画って基本的にストーリーはハチャメチャですよね。映像や音楽の勢いで突っ走るイメージ。本作も序盤のドラム演奏からアゲアゲですよ。アコギの穴の中から撮ってみたりとか。そして音楽はなんとエンニオ・モリコーネ!ゴブリンと出会うまでに結構試行錯誤してたんだなぁ。

ではそのハチャメチャなストーリーの解説。

ロックバンドのドラマー、ロベルトは数日前から自分を尾行していた謎の男をうっかりナイフで刺殺してしまいます。その模様をなんと写真に撮られちゃった。撮ったのはファニーフェイスの仮面を被った謎の人物。そしてこれをきっかけに、ロベルトの周辺では不可解な殺人事件が連続する・・・という流れ。

犠牲者の一人の眼球を摘出して調べたら、その網膜には4匹の蠅が飛んでいる映像が。ってどんな技術よ。そしてロベルトは中東で首斬り処刑の悪夢に悩まされます。この夢は何を暗示しているのか?と、無駄に不気味な演出がテンコ盛り。この二つの謎が解き明かされた時、おそらくほとんどの人は呆気にとられると思うw そしてグロテスクなのに美しい結末は一見の価値有り。見事にハチャメチャを映像と音楽で押し切っちゃいましたよ。これを経て『サスペリア2』『サスペリア』が生まれたのだと思うと、感動もひとしお。いや感動してる人はなんか色々と残念な気もするけど!