これはスティーブン・キングの原作を、スタンリー・キューブリックが監督し、ジャック・ニコルソンが主演したホラー映画です。S.キングが原作で、さらにJ.ニコルソンが主演のホラーというだけで、何やらもう恐ろしい気がしませんか?そうなんです、この映画の怖さはまさにJ.ニコルソンの鬼気迫る迫真の演技にあります。
小説家の主人公が冬の間だけ留守番管理を任されて、山間のホテルに妻と息子と共にやってきます。
静かな環境で小説の執筆ができると喜んだのもつかの間、他に人の居るはずのないホテルには怪しげな雰囲気が漂い、小説家はそのうちに幻覚を見るようになります。やがて精神的におかしくなり、最後には自分の家族をも殺そうとします。その狂気に侵されていく様子を、J.ニコルソンが見事に演じていました。目がぎらぎらと光り、斧を持って家族を追いかけるその形相が凄まじく、本当に怖かったです。
他の映画でも独特の雰囲気を出す俳優ですが、まさに怪演技派J.ニコルソンの真骨頂ではないでしょうか。
それから、この映画に関しては後日譚があります。
この映画を観た原作者のS.キングが、「なんだ、これは自分が書いたのと違うじゃないか」と怒ったのかどうかはわかりませんが、とにかくお気に召さなかったようで、「もう自分で創るからいいよ」と、本家本元版のシャイニングを製作したのです。
私は原作は読んでないのですが、こちらの方は原作を忠実に映像化したものらしく、ホラー作品というよりはホラー系ヒューマンドラマという感じのように思えます。最後に胸にじんわりと来るものがあり、S.キングは恐ろしい物語ではなく、家族愛を描きたかったのではないでしょうか。両作品を見比べてみるのもおもしろいと思います。
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