ポルターガイスト タンジーナに頼もしさを覚えた作品

この作品はポルターガイスト現象、いわゆる物体が手で触れてもいないのに勝手に動くという現象をテーマにしたものですが、悪魔や幽霊そのものが出てくるよりもただ物が動くというだけなのに、それが逆にものすごく恐ろしく感じました。

とくに印象に残ったのは一瞬で椅子が数脚きれいに積みあがるというものでした。ポルターガイスト現象というと物がぐちゃぐちゃに荒れ狂い、そして飛び交うといったイメージが私にはあり、そうであればそこまで恐怖を感じることはなかったと思います。ですが心霊現象なのに荒れ狂うのではなく、きれいに整頓されるというところに怖さを感じたのです。

そういえば実際にポルターガイスト現象に悩まされている家の話で一瞬の隙に洗濯物がきれいに畳まれるということがあったそうです。これもかなり怖い話です。

また私がこの映画で好きなシーンは霊媒師タンジーナが子供部屋の光の中へ入っていくシーンです。テレビの中に吸い込まれたキャロル・アンを助けるため、ロープを頼りに勇敢に光の中へ入っていく姿にはタンジーナがものすごくかっこよく見えたものです。このちょっぴり太った小さなおばさんに任せておけば、必ず救出してくれるという安心感がそこにはありました。

次から次へと襲ってくる家の中での不可解な現象、そのたびに肝を冷やしたものですが、そんな中タンジーナのこのシーンだけはこれでもう大丈夫なんだなと思わず画面の中の悪霊に悩まされる一家に心の中で語りかけてしまったほどでした。