サプライズ 違う意味でのサプライズ

映画サプライズ(原題You're Next)がカナダのトロント

国際映画祭でミッドナイト・マッドネス部門観客投票

2位の支持を集めたと聞いた時、これは2010年代の

革新的なホラー映画に違いないと思い、日本公開を

とても楽しみにしていました。謎めいた動物マスクの

ポスターを見た時、底知れぬ怖さを感じて期待感は

益々ふくらみました。しかし映画を見た私に残ったのは

違う意味での「サプライズ」でした。

若者たちが館の中で一人ずつ惨殺されていき、最後に

残った女の子が奮戦するという、「館ホラー」の王道中の

王道、斬新な箇所など全く無かったのです。

「サプライズ」という邦題をつけた人はもしかしたら

そういった逆の驚きを指してそう名づけたのかも

知れません。

オーソドックスで新しさがないからこの映画が駄作かと

いうと、全くそんなことはありません。とにかく丁寧に作り

込まれ、数々の有名ホラー映画をリスペクトするような

シーンも数多く登場し、展開が見え見えでもドキドキ

させて観客を引き込む力を持っている大変な良作だと

思います。ただ、公開前からずっと気になっていた

動物のマスクが大した意味を持っていないのはとても

残念に思いました。各動物のマスクがストーリーに

絡んでくれば更に良かったと思います。

ホラー映画を見た帰りは、本当は恐怖に怯えながら

帰りたいのですが、この映画の場合は良作を見た

満足感を味わいながら帰りました。監督には是非、

次回は革新的なホラー映画を撮ってもらいたいです。