主人公は旅する歌手。車の故障によって足止めされた宿で、おかしな男と出会います。その男や近くの街に住む人間の異常さに気づいた彼は、宿から脱出しようとします。しかし男に捕まってしまい……。
男性同士のレイプシーンや獣姦シーンが登場するハードな内容。一方グロデスクな展開はそれほどでもないので、血が苦手な人にも見やすいかもしれません。
ストーリーの展開を楽しむというより、雰囲気を面白がるタイプの映画かなと思います。わかりやすいエンターテイメントを求めている人にはおすすめしません。
しかし暗くて音はずれの音楽や、登場人物の狂った愛情、主人公の抱える絶望感は真に迫っていて非常に面白かったです。これを見たのがハーレムものの小説を読んだあとだったのでなんだか皮肉に思えました。ハーレムものをホラー化するならこんな感じだろうなと。
一番好きなシーンは村人がピアノにあわせておかしな踊りをするシーン。アメリカ映画にはなかなか見れないヨーロッパらしい美術センスだと思いました。歯車が狂ったまま噛み合ってしまったようなちぐはぐさと恐怖。
余韻のあるラストも好きです。ハッピーエンドではないのですが、この作品のテーマは愛なのだなあと感じます。この辺りは考えるより感じたほうがいいでしょう。
万人におすすめできる作品ではありませんが、尖った作品を試してみたい方にはおすすめしたいです。この作品についてはいろいろな感想を見てみたいです。もちろん「わけわからん」という感想も。
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