予言 不条理な新聞で無間地獄に直行

この映画、ラストを見て救われた気持ちになるのかどうなのかですが、人によって色々な受け止め方があると思いますが、私の場合は無間地獄に落ちた気持ちでした。

手に取った人間の未来を予言しちゃう新聞といえば、原点の原作はあの有名な漫画なのでしょうが、内容は全く違います。主人公も、若者ではなく家族思いのおじさんです。ホラーでおなじみのお化けなどに襲われるわけでもありません。血がドバドバなどのグロいシーンもほとんどありません。その代わりにストーリーとして心理的にジワジワ攻めてくるホラーです。でも、そういうのが本来の人間の恐怖心をくすぐるもので、私はそれなりに堪能しました。

ただ欲を言えば、もう少し全体的な内容を膨らませて欲しかったとも思います。新聞に書かれている事件をもっと増やすとか、新聞を受け取る被害者を他にも作って色々な意味で伏線をはるとかです。漫画の原作が持っている力は絶大ですから、それを考えると、映画とするにはコンパクトな世界でまとまってしまったかなと感じましたし、作り方次第では、恐怖をもっと伝染させて、リングのように続編を作っても十分いけたのではと感じます。

それでも、結末については、思っていた事と比べると、多少予想外でしたので、最後まで見ていてハラハラさせられました。全体を通して感じた事は、正直言って高得点を付けるほど面白かったとは思いませんが、内容的には、派手すぎる演出が無かった分で安定感があり、しっかりした作品でした。