【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

バタリアン・リターンズ 一途な思いで間違いを重ねながら成熟していく

ブライアン・ユズナって今はこんなに安いのか!?というほど出だしの画面が安っぽくて、美術も「軍隊の極秘実験」だってのに触る部品がみんなグラグラ揺れるし、ホームセンターで掻き集めた感丸出しで、登場人物がもれなく頭悪くて、主人公の二人もただの愚か者でまるっきり感情移入なんか出来なくて、あ〜あ見るんじゃなかった。なんて思いながらもう少しで眠りそうだったんですけどね。

でも交通事故のシーンで爆笑させられてから、全然画面の訴求力みたいな物が違ってくるんですよね。

女が死んだと見るやそれを生き返らせようと、悪い頭なりに必死の努力で動き始める主人公。

女の方も生き返ったは良いけど、ついさっきまでの生温い生活から一転した自分の運命に驚愕しながら、かつ男に愛されようと人間のままでいる努力を、肌に尖った物をプスプス刺す事でかろうじて維持するんです。

ゾンビになる恐ろしさとは自我を喪失する事の恐ろしさだ、と知り合いが言ってましたが、それは間違いないだろうけれども、この二人はゾンビになる事で自我を見出すんですね、若造なりの愚かさで。最初の「習慣的な肉欲SEX」と後半のキスシーンの重さの違いに監督の演出力を窺えると言うのは言いすぎか。

一途な思いで間違いを重ねながら成熟していくってのは青春映画だな、脳みそは食うけど。

特殊メイクがニセモノ臭いけどギミック満載で、どこの心強い青二才だろう?と思っていたらエンドクレジットのトップに「スティーブ・ジョンソン」と出ていてビックリした後、感心しました、チャレンジャーだなあ。