主人公が、いくら生物学者だからといって、「これは、ウィルスが関連してるのかもしれない」と子供たちの奇行を妻に解説するシーンは突拍子もなくて、好意的に解釈すると動転しすぎ、悪意的に解釈するとこいつ科学者じゃない、ただのバカだといった感想を持った。
最後、島からベナビスへ、ベナビスから世界中へ、と子供たちが船を出すシーンも、なんだかなと思った。
子供たちの反抗期に対する、大人の恐怖や偏見が凝り固まってできたような映画で、その部分の粗さ・ごり押し加減がすんなり受け入れられなかった。
子供たちが、嘘泣きでトムに責任をつけて、自分たちの罪を大人に押し付けるでも、同じくらいの後味の悪さなら、そっちの方が、「子供には気をつけろ」なテーマとしてはより深みを持たせられる気がした。
映像について、主人公たちのアップの多さが特徴的だと感じた。
何か、あるたび、一切の音が消え、主人公たちの胸から上ばかりが映されて、極めつけは、目の白い部分だけで俳優が演技をしたりして顔芸かよなんてシーンもあるくらいだったが、この辺は本当に怖かった。
全体を写すより、怖がってる人物を写すのは、本当に怖いのだ。
それと反対に、島の唯一の生き残りの男がその娘に連れられて行くシーンでは、男が親指大くらいのサイズになった後、道を曲がっていくのだが、姿が消えた瞬間「うわあー」と叫び声をあげて、自分は思わず吹き出してしまった。バレバレやろ、という感じで。
もどかしいくらいの主人公たちの意味わかんない行動とアップでも、ホラー映画として、恐怖をあおる点では正解なんだと分かった。
コメントをするには会員登録が必要です