ノロイ 怪奇作家が残したビデオ

家が全焼し焼け死んだ妻と失踪した怪奇作家。その怪奇作家が残したビデオ「ノロイ」というドキュメンタリー。そのビデオの検証の話です。パターン的に言うと食人族のテレビクルーが残したカメラの検証と同じです。しかし、この残されたビデオが良く出来ています。作家が取材形式で撮影したもので、カメラブレもあり、前置き無しに見ると、特番のドキュメントと間違えます。ビデオの中に出てくる人たちも芸能人が実名で出たり、テレビの特番のシーンが流れたり、一般市民が突然怒りだしたり、追いかけられたりと上手い演出が続きます。ただカメラブレが強いので、カメラ酔いをする場合があります。映画の構成は怪奇作家のこのビデオが大半を占めます。このビデオが面白く、怖く、見るものを引き込んでくれます。このビデオだけでもいいような内容ですが、検証ビデオということでさらに趣を深めています。ビデオの最後に「食人族」がそうであったように、何故妻が死んだか?家が焼けたか?作家が失踪したか?が明らかにされます。

この映画は日本では最高のPOV映画だと思います。擬似ドキュメンタリーながら見終わった後に、もしかしたら本物?という感情がでてきます。そして怖さも後からきます。残念なが「ノロイ」はそれほど評価されていません。POV方式ということと、内容が過激であり、一般的ではないからでしょう。しかしこういう作品こそ、後年マニア間で名作と呼ばれることでしょう。