「家」によって発せられた声により家族全員を惨殺した。そんな荒唐無稽な殺人事件から物語は幕を開ける。
事件から一年後。ラッツ一家は例の「家」を格安で購入する。新たな家で夫婦に子供3人+犬、合計5人+1匹による幸せな生活が始ま……るわけがない。なんてったってこの映画のタイトルは「悪魔の棲む家」ハートフルなストーリーが展開されるはずがないのだ。
家族の大黒柱であるジョージ・ラッツは「家」から発せられる声により、だんだんおかしくなっていく。地下室に籠もりきりになり、妻や子どもたちに厳しく当たる。一方で子どもたちもおかしくなる。「家」に棲まう悪霊たちと会話し、それがまた父を苛立たせるのだ。
次第にジョージは幻覚を見るようになり、凶器を片手に……と、よくある筋書きのストーリーだ。
鑑賞を終えた時の率直な感想を言うと、「うーん、B級映画だなぁ」である。「家」の声により一家を惨殺した事件というのはどうやら実話のようで、冒頭は興味を惹かれた。しかし肝心の創作部分はB級である。制作側も分かってやっているのか、いい年した少年にイカれたベビーシッターをつける展開等で視聴者の笑いを誘ってくる。正直ここは笑えた。あんなベビーシッター絶対いないだろうと。いくらアメリカでもあれはねーよ、と。
ホラー部分に関してもあまり恐怖感がないというか……どこかで見たような展開が続く。ホラー映画が好きな層が新鮮に感じる部分は無いだろう。
とは言え、一定のクオリティは満たしていると思う。個人的なオススメポイントは映画「キック・アス」でヒット・ガールを演じたクロエ・モレッツの可愛らしい姿だ。現在の名役者の過去(今でも十分すぎるほど若いが)を拝むつもりでこの映画を見るのも一つの手、だと思う。
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