アザーズ 不思議で不気味で哀しいホラー

" あまりホラー映画というのは得意分野ではありません。もともとが怖がりで、よくある「恐怖の心霊写真特集」などのようなテレビ番組にも興味はあるのですが、どうしても一人で見るより家族と見ながら「これは嘘やで」とか「これはなかなか怖いな」とか感想を言ったり笑い飛ばしたりしながら見ないと、ビデオにとって後で一人で見るなどという事はなかなかできません。

 そんな中でもう一度じっくり見てみたいホラー映画というものを初めて見つけました。それが「アザーズ」という映画です。

 スプラッターのように血が沢山出たり残酷なシーンが出てきたりする映画はどうも苦手です。それよりも「オーメン」のように「雰囲気が怖い」という映画の方が「本当に怖い」と感じてしまうし、「怖い映画」としては「地が出て残酷シーン」よりも高尚な感じがするのです。だからと言って、「じゃあ一人でじっくり見られるのか」と言われるとなかなかつらい所はあるのですが・・・

 しかし「アザーズ」は何か少し雰囲気が始めから変わっていました。古い家に引っ越してきた母親と子ども達、その人たちの周りで起こる様々な不思議で何やら不気味な出来事・・・。屋根裏で見つけた写真集には死体ばかりが写っていたり、誰もいない部屋で子供が走り回ってカーテンを開けたり・・・。でも見ている者は何かずっと違和感を感じ続けています。どこかがおかしいような気がする、何かが隠されているような気がする・・・。

それを感じさせる映画りの撮り方や場面設定が最後全てが明らかになった時に「ああなるほど」と思わず納得いってしまい、そして、その怖さを倍増せてくれるのです。

普通のゴシックホラーとは一味違った物語の設定、そして何か不気味さを感じさせながらも最後までその違和感を感じさせ続ける映し方、そして最後のどんでん返し、怖さと共に悲しみを感じる、「ホラー映画」というくくりから少しはみ出した、物語の面白さ、そして映画そのものの不思議さ、怖さを感じられる作品だと思いました。 

"