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オラン・ガダンとはスマトラ島周辺で目撃されている大型の類人猿型の未確認生物(UMA)である。

身長1.8メートルから3.6メートルという巨体であり、全身は黒い毛で覆われている。
名前の「オラン・ガダン」とは現地言で 「大きな人」「巨人」を指す言葉であり、このほかにも一回りサイズが小さい0.8~1.5メートル程のものを「オタン・ベンデグ」と呼ぶ。
また、マレーシア周辺で目撃される「オラン・ダラム」や、ミャンマーとラオスとタイの国境付近での目撃例がある「トク」なども同様の生物であり、生息域やサイズで名称が変化していると思われる。
日本ではこと「オラン・ペンデク」だけがUMA関連の書籍で頻繁に紹介されているため、知名度は低い。また、目撃例もオラン・ベンテクの方が多く、研究もあまり進んでいないのが実情だ。

しかし、そうした少ない資料から推測されるのは、まず3メートルにまで達するというその尋常ではない巨体である。
1971年には、アメリカ人の探検家ハロルド・スティーヴンスとケニー・ネルソンがマレー半島のエンダウ川上流地域において、川辺の砂地に残された大きな足跡を発見した。
発見された足跡は二足動物のものらしく、近くの森から水中へと続いていた。形は人間そっくりだが長さ48センチ、幅24センチという巨大なものだったという。
厳住民の村長にその巨大な足跡について尋ねると、ここに毛に覆われた巨人が棲んでいて乾期になると川辺に下りてくると教えられたそうである。
また、オランダの博物学者エドワルド・ヤコブソンが残した著書『熱帯の自然』のなかで、1971年にスマトラ島で毛深い巨人と遭遇した事件を紹介している。
その巨人と遭遇したのは同じオランダ人のオースティングという人物で、人間だと思い近づいてみると、それは人間ではなく全身に黒く短い毛が生えた獣人だったという。こちらに気付いて立ち上がったその獣人は身長180センチぐらいで肩幅が広く、長い腕をブラブラさせながら森の中へ歩いて行ったという。
この生物は、この地方に生息するオランウータンやオオテナガザルとは明らかに違う生物だったと後にオースティングは語ったとされている。
このオースティングの証言は、1918年にスマトラ総督L・C・ウェストネックが発表した雑誌記事でも紹介されている。

その後、巨大な獣人の目撃例は相次いだ。

2005年には、マレーシアの下部に位置するジョホール州。この地域で巨大な獣人が出現したということでマレーシアで大きな話題を呼んだ。
ジョホールバルかにあるコタ・ティンギに出現。ジャングルで働いていた労働者たち複数人が、同時にその姿を目撃している。
このとき彼らは、木ほどの大きさはある巨人を見たと証言。その後、泥の中に40~50センチはあるとてつもなく大きな足跡も発見されている。

 続く2006年には、当地に取材に入ったテレビクルーたちも巨大な足跡を発見している。
 これらの事件を知るマレーシア自然協会の議長ビンセント・チョウは、巨大な足跡が1キロ以上も続いている今回の事例を、単なるいたずらとは考えにくいと考えているようだ。その正体は、「未発見の直立二足歩行の霊長類である可能性がある」と語っている。

その正体はピテカントロプスの生き残りと考えられており、森の奥深くで社会的集団を構築していると目されている。
もしもそうだとすれば、それは人類史に関わる重要な生物に違いない。

現在でも多くの写真や足跡などの痕跡が発見されているため、オラン・ガダンの生態についても詳しい研究が進むであろう。