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ペピーとは、ペピン湖で目撃された未確認生物(UMA)である。

ペピン湖はアメリカのウィスコンシン州とミネソタ州にまたがる湖であり、その湖の形状はネッシーで有名なネス湖を彷彿とさせる長細い湖だ。

その湖住むと言われているペピンは、非常に目撃例が少なく詳しい情報はいまだに無い。
目撃例によれば、ペピンの体長はおよそ20メートル程と言われ、蛇状のシーサーペントタイプとも、ネッシーに代表される大型水棲爬虫類とも言われている。

このあまり聞き慣れないこのUMA。日本での知名度もあまりなく、知る人ぞ知るというマイナーUMAであったのだが、アメリカでは次第に注目度を増しつつある。

なぜならこのペピン、発見者になんと50000ドルの賞金が掛けられたのである。

賞金が支払われるためには、ペピーの存在を証明しなければならないとの事。つまり、ペピーの写真や、体の一部、またはその生態を裏付ける痕跡を発見する必要があるのだ。

こうして賞金がかかったUMAとして一躍脚光を浴び始めたペピーだが、その存在そのものは古く、アメリカ合衆国が建国される以前より伝説の存在しとしてネイティブアメリカン達の間で語り継がれている。

1871年になると、初めてペピーを目撃したという人物が現れる。
この時目撃されたペピーの姿をまとめると、体長はおよそ20メートル、体色は黒色系の褐色であり、頭部は小さかった。また、背中はコブの様な形状をしていたとされ、この情報を基にすれば、UMAの分類としてはシーサーペント型にあてはまるだろう。

しかし、1987年に湖に訪れた釣り人スティーヴ・レイモンドの目撃証言は別の生物の可能性を示唆するものだった。

ペピーを目撃した後、取材陣に対しレイモンド氏は興奮した様子で語った。

「はじめそれを見たとき、流木かと思ったんですが、そうではなかったんです。近づいてよく見てみると、水面から出ている部分だけで6メートルほどあるのが分かりました。体色は緑がかっており、一部は黄色でした」

この証言の他にも、レイモンド氏が撮影したというペピーの写真も残っている。
この写真と、彼の証言から推察すると、今回目撃されたペピーは水面から長い首を出して泳ぐという、あのネス湖で有名なネッシーとほぼ同タイプの大型水棲爬虫類であるといえるだろう。

しかし、なぜここまで証言が食い違うのか?ともすれば、この湖にはシーサーペントタイプとネッシータイプの2種類が居るというのか?

しかし、このペピーが住むペピン湖の水は透明度が非常に高い事で有名。
このような大型水棲UMAが最低でも2種類存在して、誰にも発見されずに生活するなどまず不可能だろう。

また、ペピン湖はフィッシングも盛んであり、大型の魚種を見間違えたのではないかという仮説も存在する。

確かに、滅多に目撃されることがないという点に注目すれば、細長い体型、息継ぎを必要としない 巨大な魚類が候補になるであろう。

ペピー湖に住む魚種は豊富であり、ブラックバス、ノーザンパイク やウォールアイ、パクー、そして チョウザメ など巨大な淡水魚が棲息している。

また、ペピン湖の怪物に限らず、レイクモンスターの正体として登場するチョウザメは、その大きさ、ごつごつした背中など「怪物」候補の最有力といえる。

しかし、ペピン湖に生息するチョウザメは個体数が少なく、あまり大型化してないないとの事なため、確証も無くチョウザメ説を押すことはできない。

それにしても、何故これだけ証拠も目撃証言も無いマイナーなUMAになぜ賞金がかけられたのか?

これについては、他のUMAにも同様の事がいえる。
UMAや、それに類似した未確認生物の存在は時折、その地域に莫大な金の流れを産む事がある。アジアのXYZ-1やブロック島のブロック・ネス・モンスターなどはその典型的な例で、UMAの存在を一目みようと何も無い田舎に大量の観光客が押し寄せた結果、その土地にUMA特需ともいえる多大な経済効果を産み、地元民に神として崇められる事もあるのだ。

恐らく、今回の賞金もそうした効果を狙っての事だろう。
ペピン湖に住むペピーにつていの証拠を掴もうとUMAハンターが集まれば、それにともなって知名度も上がり、観光客がやってくるという算段なのだろう。これによって過疎化した地域が賑わうのは、UMAファンにとっても地元にとっても喜ばしい事と言える。