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ツッキーとは、NHK・Eテレで放送されているテレビアニメ「おじゃる丸」に登場する未確認生物(UMA)である。
 
未確認生物wikiなどでたまにこの名前を見かける為、現実世界のUMAであると勘違いする人が多いが、実際のところはアニメのキャラクターでしかない。

つまり、ツッキーとは実在しなくとも存在できるUMAという、まるで都市伝説めいた構造をもつ架空の生物なのである。

このツッキーは、アニメ『おじゃる丸』の舞台となる月光町にある月夜ヶ池に生息する謎の巨大生物。

その姿は愛らしいすがたのネッシーにも似た緑色の生物。月光町ではその人気は高く、ツッキーファンを自称したり、ツッキーに関わりのあるキャラクタは多数存在する。

その生態は非常に奇妙だ。
ツッキーは、月夜ヶ池に物を落とすと、その落とし物を少し大きくして返してくれるという。また、なぜかラジカセを操作できるという特技を持つといわれている。

さらに驚くべきはその年齢であり、なんとツッキーは1000年以上生きているというのだ。

このツッキーが住む月夜ヶ池は1000年前は、この物語の主人公であるおじゃる丸の住む屋敷の池であったという。その頃ツッキーはおじゃる丸が手に持てるほどの大きさであり、およそ10㎝程度であったと思われる。

そのご、約1000年の間にツッキーは成長した訳であるが、いくら月光町にファンが多いといえど、彼らですら1000年も生きているとはさすがに思わなかったであろう。

ツッキーの腹にはその時おじゃる丸が自分のものという意味で書いた「まろの」という落書きがあり、その落書きはなぜかそのままツッキーの成長と共に巨大化して今も残っている。

2010年には一度脱皮を行っており、以前、その皮が風に乗り、タナカヨシコの店に辿り着いて騒ぎになった。また、夏バテで池の水を飲み干し、危うく干からびてしまう危機にさらされたこともある。

他にも、喉に木の枝が引っ掛かって、口から体内に入った館長さんにとり出してもらったというエピソードもある。

面白い事に、このアニメの世界でのツッキーは隠れる事はなく、むしろ積極的にその姿を人前にさらしている。さらにそれによって、ツッキーが研究のために確保される事もなく、町のアイドルとして町民達に愛されながら過ごしているのだ。

このUMAと人間との関係性は、まさに理想的ともいえるものだろう。

しかし、現実のUMAと、その人間はまるで逆だ。

警戒心が強く、断片的な目撃情報はあれど、人間は姿を表さないUMA。
その神秘性にロマンを求め、人間はその姿を見つけることにやっきになる。際限のない好奇心によて発見されるUMAは、その得意な生態、進化の過程、骨格、遺伝子までもが全て人類の発展のために利用されてしまう。

そしてUMAはその個体数が多ければ、UMAはあたらな学術的名前を与えられ、通常の生物として生きる道もあるが、それでも研究の対象となり続けることは避けられないだろう。

しかしツッキーは違う。約1000年は生きているというその謎も、池に落としたものをなぜか少し大きくして返してくれるという謎も、なぜかラジカセを操れるというその謎も、だれも本気で解こうとはしない。かといって、誰も関心が無いわけではない。ツッキーはツッキーのまま、その奇妙な容姿と生態をもってして、町のアイドルとして生き続けているのだ。

願わくば、現実の世界のUMAと人間も、このような関係性を気づければと思わなくもないが、それも安直な考えなのだろう。UMAはその警戒心や人間への恐怖によって生き延びているし、人間はその好奇心をもってして発展し続けてきている。また、我々UMAファンもその好奇心の強さゆえに、彼らの姿を追い求め続けているのだ。

しかし、ほんの僅かな可能性があるとして、もしも我々とUMAがこのツッキーと月光町の人間のような関係せいが築けた世界があるとするならば、その可能性を信じたくなってしまうのも、UMAファンの持つ、致し方ない程のロマンチシズムなのかもしれない。